秋の蠅(あきのはえ、あきのはへ)三秋
【子季語】
残る蠅、後れ蠅
【解説】
夏は特にうるさいと思われる蠅も、秋冷の頃ともなれば、流石に 元気を失い弱々しい。その存在感もうすれ、じっと止まっている のを見ると、何やらもの悲しくなる。
【例句】
草庵の弱りはじめや秋の蠅
丈草「幻の庵」
寝ころべば昼もうるさし秋の蠅
桃隣「古太白堂句選」
飯もれば這って来るなり秋の蠅
蓼太「蓼太句集初編」
屏風はる糊のかはきや秋の蠅
雨柳「野梅」
薬つぎし猪口なめて居ぬ秋の蠅
杉田久女「杉田久女句集」