狐(きつね)三冬
【解説】
ネコ目イヌ科キツネ属など四属の哺乳類の総称。体長は種によってさまざまで二十四~百二十センチ。ほぼ世界中に分布し、夜行性で肉食。冬場、ミミズやモグラなどの餌を求めて畑を荒らすので、罠を仕掛けたりする。
【科学的見解】
キツネは、ネコ目(食肉目)イヌ科の哺乳類である。大陸のアカキツネに対して、日本には北海道にキタキツネ、東北から九州までにホンドキツネの二亜種が存在している。
両亜種は、人里近くの低山から高山までの森林に生息しているが、林縁部の草地や農耕地でも見かけることが多い。餌は主に小型動物類であるが、秋には果実類も食べるようである。仔育てのため、自力で地中に巣穴を掘るか、アナグマの使い終わった古巣を利用する。出産は春先で、夏まで仔育てを行う。稀に体毛が抜けたキツネを見かけることがあるが、その場合の多くはダニ類が寄生し、疥癬症を発症させた個体であると思われる。また、キタキツネには、多包条虫(エキノコックス)が寄生している場合があり、人にも感染しエキノコックス症を引き起こすため、餌付けや糞に触るなどの接触は避けるべきである。(藤吉正明記)
【例句】
すつくと狐すつくと狐日に並ぶ
中村草田男「万緑」