霜柱(しもばしら)三冬
【子季語】
霜くずれ
【解説】
寒い冬の夜などに、毛細管現象によって地上へ上昇してきた地中の水分が、地表のすぐ下で凍るもの。直径二~三ミリの氷柱が束になって上方へ伸び、土を押し上げる。長いものでは十センチ以上にもなる。
【例句】
消えてかなし老の杖にも霜ばしら
重頼「桜川」
霜柱ほそくからびたる日影かな
惟中「俳諧三部抄」
縄帯の悴いくつぞ霜柱
一茶「七番日記」
土ともに崩るる崕(がけ)の霜柱
正岡子規「寒山落木」
枯れ尽す菊の畠の霜柱
正岡子規「寒山落木」
霜柱そだちし石のほとりかな
川端茅舎「現代俳句文学全集」
霜柱どの一本もめざめをり
加藤楸邨「怒濤」
霜柱次第に倒れいそぐなり
松本たかし「石魂」
霜柱倒るる光明滅し
松本たかし「石魂」
霜柱俳句は切字響きけり
石田波郷
霜柱いたくな立ちそ猫の墓
長谷川櫂「蓬莱」
霜柱踏んで達磨ををさめけり
高田正子「花実」