隼(はやぶさ)三冬
【子季語】
稚児隼、長元坊
【解説】
ハヤブサ科の猛禽類。鷹よりも小型。冬に海岸、河口、湖沼畔、原野などの開けた場所に住み、飛んでくる鳥を上から急降下して捕らえる。鷹匠の狩に使われることもある。
【科学的見解】
ハヤブサは、ハヤブサ科の野鳥で、全国的に繁殖を行っているが、冬の寒さが厳しい地域の個体は、越冬のためより南方へ移動する。夏の繁殖期には、海岸付近の断崖絶壁等で営巣を行い、冬の非繁殖期になると海岸も含め河口や草原等開けた見通しの良い環境で生活するようになる。捕食行動としては、飛んでいる鳥を上から急降下して足で蹴って捕らえる習性があり、直線的に飛ぶハト類等が狙われやすい。稀に地上でネズミ類やウナギ等も捕らえるとのことである。近縁種としては、チゴハヤブサが知られており、本種よりやや小型である。本種は、胸の斑紋が横斑に対して、チゴハヤブサは縦斑であるところが異なる点である。(藤吉正明記)