送り火(おくりび)初秋
【子季語】
魂送り
【解説】
盆の十五日または十六日に先祖の魂を送るために焚く火。豆殻、苧殻などを家の門のところで焚く。
【例句】
なつかしや送火にさそふ風の色
来山「渡し舟」
はづかしと送り火捨てぬ女がほ
言水「大湊」
送火の山へのぼるや家の数
丈草「草苅笛」
送り火や顔覗きあふ川むかひ
太祇「太祇句選」
送り火や今に我等もあの通り
一茶「句帖写」
いとせめて送火明く焚きにけり
長谷川零余子「雑草」
送り火をして連れもなく妻帰る
原石鼎「原石鼎全句集」
送り火や帰りたがらぬ父母帰す
森澄雄「四遠」