
【解説】
山野に自生したり、庭や盆栽で栽培される藤は、晩春、花が散ったあと、長さ十から二十センチほどの大きな豆莢をつける。それが晩秋になって完熟し、灰緑色の固い果肉になる。
【科学的見解】
フジは、本州から九州の平地や低山の林縁に自生するつる性樹木である。マメ科植物の果実は、乾燥すると鞘がねじれるため、その反動で種子を散布する。フジの果実は、大きいため、大きな音をたてて自発的に種子散布している。(藤吉正明記)
藤の実は俳諧にせん花の跡
芭蕉「藤の実」
藤の実に小寒き雨を見る日かな
曉台「暁台句集」