亀の子(かめのこ) 三夏
【子季語】
銭亀
【解説】
日本特産の石亀の子。形が銭つまり銅貨に似ているので銭亀とも。イシガメは五、六月ころ直径二・五センチくらいの卵を水辺の土の中に産む。孵化には五、六十日かかり、すぐに親から離れる。
【科学的見解】
淡水域に分布する日本の亀は、硬い鱗と甲羅を有する爬虫類の仲間であり、イシガメ科、ヌマガメ科、スッポン科等に分類されている。本州に分布している亀としては、ニホンイシガメ、クサガメ、ニホンスッポン、外来種のミシシッピアカミミガメ等が馴染み深い。それらの産卵期は、五月から八月であり、水田や池・河川周辺の土に後肢で穴を掘り、種により異なるが、数個から数十個の卵を産卵する。その後六十日から七十五日で幼体が出現する。ニホンイシガメの幼体は、丸みがあり、甲羅の後ろが鋸状となっており、通称「銭亀」と呼ばれている。クサガメの幼体も丸みがあるが、甲羅には鋸状の尖りはないため、その点で区別できる。ニホンスッポンは、その他の淡水ガメと比較して軟らかい甲羅を有しており、その幼体は四肢に発達した水かきをもつところが特徴である。また、ミシシッピアカミミガメの幼体は、丸みがあり、目の後方に赤い班があるが、全体的に緑色をしているため、通称「ミドリガメ」と呼ばれている。近年、飼育個体のミシシッピアカミミガメが野外に放され、都市部の池や河川下流域等で繁殖・定着し、個体数を増加させている。北アメリカ原産のミシシッピアカミミガメは、在来種に対する悪影響が懸念されているため、環境省により条件付ではあるが特定外来生物に指定されている。一方、ニホンイシガメは、近年個体数が減少しており、環境省のレッドデータブックにおいては準絶滅危惧種として掲載されている。(藤吉正明記)
