【子季語】
秋雲
【解説】
澄み切った蒼穹に浮かんでは消えてゆく秋の雲。鱗雲や巻積雲など秋の白い雲はくっきりと印象的である。
【例句】
吉野気の離れて白し秋の雲
鬼貫「はな野の枕」
松杉も拝めと晴るる秋の雲
去来「蝶すがた」
二色の絵具に足るや秋の雲
召波「春泥句集」
たちのびし高根の杉や秋の雲
蘭更「三傑集」
あら海や浪をはなれて秋の雲
暁台「暮雨巷句集」
夕暮れや鬼の出さうな秋の雲
一茶「七番日記」
橋見えて暮れかゝる也秋の雲
一茶「旅日記」
秋の雲ちぎれちぎれてなくなりぬ
内藤鳴雪「新俳句」
秋の雲尾上の芒見ゆる也
泉鏡花「俳諧新潮」