いもり/ゐもり 三夏
【子季語】
井守/赤腹
【解説】
両生綱有尾目イモリ科に属する動物。背は黒褐色で腹は全体に赤黒く黒斑があり、赤腹ともいう。池沼や小川、井戸などにも棲むので井守ともいう。
【科学的見解】
いもりは、イモリ科に属する両生類で、腹部が赤色系の色彩をしていることから標準和名はアカハライモリとされている。本種は、本州から九州屋久島まで分布しており、水田や池等の止水域を基本的な生息環境としているが、湿地周辺の小川や側溝等にも定着している場合がある。繁殖は、四月から七月までであり、水中に存在する植物等に一卵ずつ丁寧に産卵していく。幼生は、体外に突き出したえら(外鰓)を有し、変態とともに外鰓は短くなり、幼体に変化したころには完全に失われてしまう。食性は肉食性であり、水中に存在する小動物やカエル類の卵等を捕食する。体色は、黒色が中心であるが、腹部に警戒色として橙色から朱色の赤い斑模様が入る。腹部の赤色斑模様は、個体間でも、地域間でも異なることが知られている。沖縄等の亜熱帯地域においては、奄美諸島にアマミシリケンイモリ、沖縄諸島にオキナワシリケンイモリ、奄美大島から沖縄島にかけてイボイモリが存在する。これら三種については、アカハライモリとは異なり、基本的に繁殖期以外は陸で生活している。イボイモリは、原始的な形態を留めた生きた化石として知られており、生息域である鹿児島県や沖縄県では天然記念物となっている。(藤吉正明記)
【例句】
石の上にほむらをさます井守かな
村上鬼城「定本鬼城句集」
【井守と守宮の違い】
腹が赤い方がイモリで、全体が薄茶色のがヤモリである。イモリの腹の赤色は毒を持っている事を知らせるための警戒色である。
生息場所については、イモリはカエルと同じ両生類で水中や陸に棲む、ヤモリは爬虫類で陸に住む。
