夏羽織(なつばおり) 三夏
【子季語】
単羽織/薄羽織/麻羽織/絽羽織
【解説】
夏に着るひとえの羽織。絽、紗、麻などの透けた素材であるため、軽く、見た目にもとても涼しげである。着物離れとはいえ、趣味人には愛好される。祭などで、袴の上に着ている姿も情緒がある。
【例句】
別ればや笠手に提げて夏羽織
芭蕉「白馬」
側に置きて着ぬことわりや夏羽織
太祇「太祇句選後篇」
脱ぎすてて我ゆかしさよ薄羽織
蕪村「夜半叟句集」
手に持たば手にわづらはし夏羽織
几董「井華集」
夕陰や片がは町の薄羽織
一茶「享和句帖」
夏羽織われをはなれて飛ばんとす
正岡子規「子規句集」