二日灸(ふつかきゅう/ふつかきう) 仲春
【子季語】
二日やいと/春の灸/やいと日
【解説】
陰暦二月二日に灸をすえると効能が倍になるとか、無病息災で暮らせるという俗信がある。陰暦八月二日にも同じ風習があり、「二日灸」と云う。俳句では二月の方が主である。農事の始まる前の疫病除けであろう。
【例句】
二日灸花見る命大事なり
几董「井華集」
かくれ家や猫にもすゑる二日灸
一茶「八番日記」
死はいやぞ其きさらぎの二日灸
正岡子規「子規句集」
撫肩のさびしかりけり二日灸
日野草城「青芝」