水菜(みずな/みづな) 初春
【子季語】
京菜
【解説】
二、三月頃、菜が乏しい時期に出回るため喜ばれる。根が白く水と土とで育てられるのでこの名がある。京都の東寺九条辺りで作られてきた。京の菜物として、関東では京菜という。薄緑の菜の淡白な味と舌触りは早春のもの。
【科学的見解】
ミズナは、アブラナ科の野菜で、京都を中心に江戸時代から栽培されてきた。近縁のものとしては、ミブナが存在し、ともに京都の伝統野菜として知られている。ミズナは、株元近くから分枝するため、一株で百以上の葉をつける。葉は、深い切れ込みが多数入り、葉先は尖ることから、ヒイラギという樹木の葉に見立てて別名柊菜という名も使われている。(藤吉正明記)