秋の駒牽(あきのこまびき)仲秋
【子季語】
駒迎え/引分使/望月の駒/霧原の駒
【解説】
陰暦八月十六日の宮廷行事。各地の朝廷直轄の牧場から、優れた馬を選び出し都までひいてきたことをいう。後には信濃望月の馬がおもに差し出されるようになり、折からの名月ともあいまって広く歌にも詠まれた。
【例句】
町医師や屋敷がたより駒迎へ
芭蕉「五十発句合」
桟や先づ思ひ出づ駒迎へ
芭蕉「更科紀行」
駒牽きの木曾や出づらん三日の月
去来「句兄弟」
新蕎麦の信濃話や駒迎へ
許六「藁人形」
爪髪も旅のすがたや駒迎へ
荷兮「曠野」
旅人のはしり抜けるや駒むかへ
蓼太「蓼太句集」
駒迎へことにゆゆしや額白
蕪村「蕪村句集」
駒牽きやけふ切り立ての白ふどし
大江丸「俳懺悔」
一袋蕎麦も添へけり駒迎
一茶「一茶句帖」