菊酒(きくざけ) 晩秋
【子季語】
菊の酒/菊花の酒
【解説】
重陽の節句に菊の花を浮かべて飲む酒をいう。中国では、菊酒を酌むことで長生きできるという言い伝えがあり、それが日本にも 伝わったもの。この習慣は、朝廷をはじめ武家や民間にも広まった。現在でも下賀茂神社などでは、重陽の節句に菊酒を振舞う。
【例句】
菊酒に薄綿人のほめきかな
西鶴「発句題林集」
草の戸や日暮れてくれし菊の酒
芭蕉「笈日記」
菊酒の加賀に知る人おとづれよ
許六「摩詰庵入日記」
草の戸の用意をかしや菊の酒
太祗「太祇句選後編」
よもぎふや袖かたしきて菊の酒
一茶「文化句帖」