【子季語】
初秋風/初風初
【解説】
秋に吹く風は蕭条として物寂しい感じがあるが、「初風」はまだ夏の名残が消えないものの、明らかに風に秋の風情を感じる場合をいう。古今集の藤原敏行「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」がまさしく初風。
【例句】
初風や松も蘇鉄も秋の市
言水「柏崎」
初風や回り灯籠の人いそぐ
几董「晋明集二稿」
【子季語】
初秋風/初風初
【解説】
秋に吹く風は蕭条として物寂しい感じがあるが、「初風」はまだ夏の名残が消えないものの、明らかに風に秋の風情を感じる場合をいう。古今集の藤原敏行「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」がまさしく初風。
【例句】
初風や松も蘇鉄も秋の市
言水「柏崎」
初風や回り灯籠の人いそぐ
几董「晋明集二稿」
【子季語】
二星(にせい)/二星(じせい)
【解説】
陰暦七月七日の七夕に、年に一度天の川を渡って出会う織姫星と彦星のこと。実際の星の名は琴座のベガと鷲座のアルタイル。
【例句】
天にありて比翼とちぎる二星かな
季吟「山の井」
【子季語】
カシオペア
【解説】
カシオペア座の和名。五つの星がW形に並び、それを舟の碇に見立てていう。逆に見立てて「山形星」とも。北極星を挟んで北斗七星と対置している。
【子季語】
白鳥座/ペガサス/秋北斗
【解説】
星は年中見えるが、大気が澄む秋の星は格別の感があり、そうした思いを込めた言葉。白鳥座、碇星(カシオペア)など、北斗七星は「秋北斗」と呼ばれる。
【子季語】
二十三夜/二十三夜月
【解説】
午前零時頃になって上り始める遅い出の下弦の月。二十三夜の月ともいう。明け方に南中する。さすがにこの頃にはもう待ち眺める人も少ない。
【解説】
十五夜の名月を過ぎると、月の出は次第に遅くなっていく。従って宵の時刻の空の暗さがひときわ感じられる様をいう。
【例句】
よひやみに火袋深き木の間かな
鬼貫「七車」
宵闇や霧のけしきに鳴海潟
其角「いつを昔」
よひやみや門に稚き踊り声
太祇「太祇句選後篇」
宵闇の水うごきたる落葉かな
渡辺水巴「水巴句集」
宵闇に臥て金星に見まもらる
日野草城「人生の午後」
【子季語】
夕月夜/夕月/宵月/宵月夜
【解説】
陰暦八月の二日月から上弦の頃までの月をいう。この頃の月は出が早く、光は弱く、夜半には没するので、はかない感じがある。それゆえ王朝貴族たちに愛され、詩歌に盛んに詠み継がれた。
【例句】
見る影やまだ片なりも宵月夜
芭蕉「鳥の道」
鹿ずれの松の光りや夕月夜
丈草「土大根」
昼からの客を送りて宵の月
曾良「三日月日記」
【子季語】
弦/弦月/半月/片割月/月の弓/月の舟/上の弓張/下の弓張
【解説】
半月のことで、弦を張った弓のように見えることからの命名。陰暦八月七、八日頃の宵の弓張月は右半分が明るい上弦の月、二十二、二十三日頃の真夜中の弓張月は左半分が明るい下弦の月となる。
【例句】
ひわり戸の透間かぞへや月の弓
季吟「紅梅千句」
弓月や佳名は秋の半ならず
宗因「宗因発句集」
弓張のつるがにはなす宿りかな
鬼貫「七車」
【子季語】
三日(みか)の月/三日(みつか)の月/月の眉/眉書月/眉月三日月眉/新月/若月/月の剣/蛾眉/初魄
【解説】
陰暦八月三日の月。眉を引いたように細く「眉月」ともいう。夕方、西の空にうすく輝き、すぐに沈む。
【例句】
三日月に地はおぼろ也蕎麦の花
芭蕉「浮世の北」
新月やいつを昔の男山
其角「いつを昔」
三日月や影ほのかなる抜菜汁
曾良「三日月日記」
三日月やはや手にさはる草の露
桃隣「三日月日記」
三日月や膝へ影さす舟の中
太祇「太祇句選」
三日月の下へさし行く小舟かな
樗堂「萍窓集」
三日月に川一筋や新墾田
河東碧梧桐「碧梧桐句集」
吾妻かの三日月ほどの吾子を胎(やど)すか
中村草田男「火の島」
船底の閼伽に三日月光りけり
大須賀乙字「炬火」
【子季語】
二日の月/繊月
【解説】
陰暦八月二日の月。西の端に細く光り、日没後、まもなく沈んでしまうので目立たないが、ようやく光を帯びた仲秋の月を喜ぶ。
【例句】
面影もほのかに涼し二日月
鬼貫「仏兄七久留万」
雨そそぐみくさの隙(すき)や二日月
蕪村「安永四年句稿」
月ならば二日の月とあきらめよ
正岡子規「新俳句」
あら波や二日の月を捲いて去る
正岡子規「子規句集」