【子季語】
穴一銭/穴市
【解説】
地上に円形の小穴をうがち、その手前に線を引いて、そこに立って銭を穴に投げ入れる。穴に入ったら勝ちとしてその銭を取り戻す。もし穴の外に落ちたらそのままにしておく。次のものが銭を投げ入れて打ち当てたら勝ちとしてそれをもとる。文化三年(一八〇六年)に賭け事として禁止されてからは、ムクロジ・ぜぜ貝・小石・めんこで遊んだ。
【例句】
穴一の筋引きすてつ梅が下
太祇「太祇句選後篇」
dvx22327
振振(ぶりぶり) 新年
【子季語】
振振毬打/玉振振
【解説】
鶴と亀、尉と姥などめでたい図を描いた槌で玉を打つ正月の子供の遊び。江戸以降は飾り物・贈り物となった。毬打とは別のもの。
【例句】
ぶりぶりやふたつの玉に後の禄
都雀「題葉集」
ぶりぶりやあるは漆乳の枕にも
重厚「発句題叢」
ぶりぶりや箔古りたれど家の物
松瀬青々「鳥の巣」
ぶりぶりや剥げ残る絵の尉と姥
高田蝶衣「青垣山」
毬打(ぎっちょう/ぎつちやう) 新年
【子季語】
毬杖/玉打
【解説】
長い柄の付いた八角形の槌で毬を打つ正月の男子の遊び。十間(十八メートル)ほど離れて立ち、その中央に線を引く。一方から毬を地上に投げ、これをもう一方が槌で打ち止める。止められず線を越させると投げた方が勝ち。止めると打った方が勝ちと言うことになる。遊びとしては廃れたが、正月用の飾り物として残っている。
【例句】
世の中や毬打の箔の人ごころ
鼠花「新類題発句集」
玉うちに馬乗りよける小路かな
蝶夢「題葉集」
玉うちて雪に筋つく小路かな
一路「新類題発句集」
玉うちを避けて行くなり御寮達
嘯山「葎亭句集」
鋳始(いはじめ) 新年
【子季語】
鋳物始/鋳初
【解説】
鋳物師の仕事始め。火の神に供え物をし新たな年の仕事の安全と繁栄を祈る。
鍛冶始(かじはじめ/かぢはじめ) 新年
【子季語】
鎚始/初鍛冶
【解説】
鍛冶職人の仕事始め。火の神を祀り、一年の仕事の安全と繁栄を祈る。
吹革始(ふいごはじめ) 新年
【子季語】
鞴始/初鞴
【解説】
鞴を使って仕事をする鍛冶・鋳物師の仕事始め。またはその儀式。火の神を祀り、一年の仕事の安全と繁栄を祈る。
【例句】
百福の始まるふいご始めかな
一茶「文政八年句帖」
手斧始(ちょうなはじめ/てうなはじめ) 新年
【子季語】
釿始/鉋始/木造始
【解説】
大工など建築に携わる人の仕事始めの儀式。一年間の安全・繁栄を祈る。
細工始(さいくはじめ) 新年
【子季語】
初細工
【解説】
指物師など細工職人の仕事始め。多くは二日とされるが、地方によりまた仕事により異なる。
初彫(はつほり) 新年
【子季語】
彫初/初彫刻
【解説】
面打ち・彫物師たちが新年初めて鑿をふるうこと。
樵初(きこりぞめ) 新年
【子季語】
木伐り初/こり初/斧始/初斧/吉方伐り/穂長
【解説】
新年初めて山に入り木を伐る神事。山神に酒や餅を供えて一年の仕事の安全を祈る。
