【子季語】
時鳥の落し文、鶯の落し文
【解説】
オトシブミ科の昆虫の総称。初夏、櫟、楢、楡、などの広葉樹の葉を筒状に巻いてその中に産卵し地上に落す。この筒状の葉を落し文に見立てた。
【例句】
音立てて落ちてみどりや落し文
原石鼎「花影」
落とし文ありころころと吹かれたる
星野立子「笹目」
【子季語】
夜業、夜仕事
【解説】
秋の長い夜を働き続けること。夜は特に静かで、こつこつと仕事をしているうちに時の経つのを忘れてしまう。
【子季語】
稲打、脱穀、脱穀機、稲扱筵、稲扱機、稲埃
【解説】
実った稲穂から籾をこき落すこと、またはその道具。手作業から足踏み稲扱機、電動式脱穀機へと移り、最近は刈りながら脱穀もする稲刈機が普及している。
【例句】
稲こくやひよこを握る藁の中
其角「渡鳥」
いねこきも木陰つくるや松の下
野坡「野坡吟艸」
渋柿の下に稲こく夫婦かな
夏目漱石「漱石全集」
ふくやかな乳に稲扱く力かな
川端茅舎「春水光輪」
【解説】
秋蚕が作る繭のこと。飼育日数が短いため、秋繭は春の蚕の作る春繭に比べて小粒である。収量も少なく品質も多少劣る。
【子季語】
寒明忌
【解説】
二月一日。河東碧梧桐(一八七三~一九三七、六十三歳)の忌日。本名秉五郎。虚子と共に子規に俳句を学ぶ。子規没後、新聞「日本」の俳句欄を継承。新傾向俳句の指導者として一時期を画した。
【子季語】
枯蟷螂
【解説】
蟷螂は、あたりが枯れゆくに従って保護色の枯葉色に変わってゆく。しだいに生気もなくなりやがて死に至る。この様態を蟷螂枯るという。
【子季語】
野施行、穴施行、狐施行
【解説】
野生の動物に、寒の時期餌を施し与えることをいう。田の畦、山の際などに、豆腐や油揚などを置く。野に置くことを野施行、狐や狸などの穴らしいところに置くことを穴施行という。
【例句】
野施行を覗く雑木の鴉かな
庄司瓦全「曲水俳句鈔」