【解説】
ベンケイソウ科キリンソウ属の多年草。本州の山地、高山などに自生する。茎は紅紫色を帯び横に這う。高さ十センチほどになる花茎は根元から枝分かれする。六月ころ花茎の頂点に十個から二十個ほどの黄色い小花をつける。
【科学的見解】
万年草は、同属内に複数の種を含んでおり、一年草もしくは多年草として日本に自生もしくは帰化している。代表的な種としては、ムカゴを生じて子を増やすコモチマンネングサ、海岸付近に自生するタイトゴメ、山地の岩上に生育するタカネマンネングサ、都市近郊の石垣や空き地などに定着している外来植物のツルマンネングサやメキシコマンネングサなどが存在する。いずれの種も葉や茎が多肉質であるところが特徴である。(藤吉正明記)
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駒繋(こまつなぎ) 晩夏
【子季語】
こまとどめ/こまとめはぎ/うまつなぎ/金剛草
【解説】
マメ科コマツナギ属の小低木。本州、四国、九州の野原や土手など日当たりのよいところに自生する。高さは六十センチから九十センチくらい。葉は四五枚の小葉を持つ葉状複葉で互生する。七月から八月にかけて、葉腋から総状花序を出し、紅紫色の蝶形花をつける。馬をつなげるほど茎が丈夫であることからこの名がある。
【科学的見解】
コマツナギは、マメ科の草本状の低木で、本州から九州までの日当たりが良い乾燥した場所に生育する。本種は、一部の茎が横に這いながら高さ一メートルぐらいまで成長する。草のように見えるが、小低木であることから、茎は意外と丈夫である。コマツナギという名を持つ植物として、ナンバンコマツナギとタイワンコマツナギが存在する。両種は、インディゴ成分を有しているために沖縄や東南アジア付近では藍染めの材料として利用されている。日本では、沖縄地域で一部野生化しているとのことである。(藤吉正明記)
宝鐸草の花(ほうちゃくそうのはな/はうちやくさうのはな) 初夏
【子季語】
宝鐸の花/宝鐸草/狐の提灯
【解説】
ユリ科チゴユリ属の多年草。日本全国の山地や丘陵に自生する。草丈は三十センチから六十センチくらいで上部で枝分かれする。五月ころ枝先に白い花が一個から三個垂れ下がる。花の形が寺院の宝鐸に似ていることからこの名がある。
【科学的見解】
ホウチャクソウは、イヌサフラン科(旧ユリ科)の多年草で、北海道から九州までの雑木林林内に生育する。花は初夏に枝の端に一から二個下垂する。近縁種としては、チゴユリやキバナチゴユリが知られているが、両種の花は六枚の花被片を大きく開くのに対して、ホウチャクソウはあまり開かない。開花後、ホウチャクソウの果実は、液果となり黒く熟す。(藤吉正明記)
連理草(れんりそう/れんりさう) 初夏
【解説】
マメ科レンリソウ属の多年草。本州、九州のやや湿った草地などに自生する。草丈は三十センチから八十センチくらい。葉は互生し先が巻きひげになる。五月から六月にかけて葉腋から総状花序を出し紅紫色の蝶形花を咲かせる。
【科学的見解】
レンリソウは、本州から九州の湿った草地に生える多年草である。花は紫色で美しいが、白花個体も稀に存在する。近縁種としては、北海道から本州に分布するエゾノレンリソウやヤチエンドウが知られている。(藤吉正明記)
立浪草(たつなみそう/たつなみさう) 初夏
こうじゅ/かうじゅ 晩夏
【子季語】
薙刀こうじゅ/野紫蘇
【解説】
シソ科ナギナタコウジュ属の一年草。日本全国の山地に自生する。草丈は三十センチから六十センチくらい。全体に強い匂いを持つ。葉は細長い卵形。夏、枝先に薙刀状の花穂を出し淡紫色の花を多数つける。
烏柄杓(からすびしゃく) 仲夏
【子季語】
烏柄杓の花/半夏
【解説】
サトイモ科ハンゲ属の多年草。日本各地の山地や平地に自生する。葉柄は細長く、二十センチくらい。六月から七月にかけて、茎よりも長い緑色の仏炎苞を伸ばす。球茎を薬用にする。
草合歓(くさねむ) 晩夏
草藤(くさふじ/くさふぢ) 晩夏
【解説】
マメ科ソラマメ属の蔓性多年草。日本全国の山野に自生する。葉は互生し、先端が長く伸びて巻きひげ状になる。晩夏、茎の上部の葉腋から八センチほどの総状花序を出し、紅紫色の蝶形花を咲かせる。花全体が藤ににているのでこの名がある。
【科学的見解】
クサフジは、マメ科の多年草で、北海道から九州までの山野の日当たりの良い草地や林縁などに生育している。葉は羽状複葉で、マメ科特有の蝶形花冠を総状につける。本種には、近縁種が多く、オオバクサフジやヒロハクサフジ、ノハラクサフジなどの在来種のほか、ビロードクサフジやナヨクサフジなどの外来種が存在する。ビロードクサフジは、英名としてヘアリーベッチと呼ばれており、飼料や緑肥目的で畑に栽培されていたものが、逸出して各地に広がっている。(藤吉正明記)
蛍蔓(ほたるかずら/ほたるかづら) 初夏
【解説】
ムラサキ科イヌムラサキ属の多年草。日本各地の日当たりのよい山地に自生する。草丈は十五センチから二十センチくらい。葉は細長い楕円形で五センチくらい。五月ころ茎の上部の葉の付け根に青紫色の花を咲かせる。
【科学的見解】
ホタルカズラは、北海道から琉球まで分布し、乾いた疎林や草地に生える小型の多年草である。花の中央に星のような白い隆起のある青紫色の美しい花が特徴的である。名は、点々と咲く花をホタルの光にたとえたものとされている。同属近縁の種としては、紫色の染料で有名なムラサキやイヌムラサキなどが存在する。(藤吉正明記)


