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季語と歳時記

きごさい歳時記

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狩(かり)三冬

季語と歳時記

【子季語】
狩猟、狩場、猟犬、猟期、猟、猟銃、勢子、獣狩、狩の宿、猟筒
【解説】
鳥獣を罠、網、銃などで狩猟することをいう。なお昔から狩りと言えば鷹を用いた鷹狩の意であったが現在では死語に近い。今は銃を用いるのが一般的である。
【例句】
雪ふる夜狩の火見ゆる山手かな
麦羅「新類題発句集」

草の戸に茶一つ乞へり狩の君 
召波「春泥発句集」

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かんじき 三冬

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【子季語】
金かんじき、アイゼン、輪かんじき、板かんじき
【解説】
雪深い道や野を歩行の際、足の埋没を防ぐために雪沓の下に履くもので、主に北国で使われる。丈夫な蔓や竹を曲げ、山漆の皮を巻き込んだりしてしっかりと作る。
【例句】
はくころはげにも寒じき雪の中
季吟「山の井」

かじき佩いて出でても用はなかりけり
一茶「文化句帖」

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焚火(たきび)三冬

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takibi【子季語】
朝焚火、夕焚火、柴焚、落葉焚、焚火趾、夜焚火
【解説】
暖を取るために枯木や廃材を燃やすこと。境内で落葉を焚いたり建築現場で木屑を燃やしたりする冬の光景である。
【例句】
烈々と雪に秋葉の焚火かな
蕪村「夜半叟」

焚火かなし消えんとすれば育てられ
高浜虚子「五百五十句」

焚火火の粉吾の青春永きかな
中村草田男「火の島」

とつぷりと後暮れゐし焚火かな
松本たかし「松本たかし句集」

帚目の集つてゐる焚火かな
星野立子「笹目」

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火桶(ひおけ、ひをけ)三冬

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【子季語】
桐火桶、火櫃
【解説】
円火鉢のこと。桐の木などをくり抜いて内側を真鍮などの金属板を張ったもの。炭火を入れて暖を取る。彩色をほどこしてあったりもする。平安時代以降用いられたもので枕草子にある。
【例句】
細工絵を親に見せたる火桶かな
来山「太胡盧可佐」

霜の後撫子さける火桶哉
芭蕉「勧進牒」

草の屋の行灯もとぼす火桶かな
太祗「太祗句選」

桐火桶無絃の琴の撫でごころ
蕪村「雁風呂」

侘びしらに火桶張らうよ短冊で 
蕪村「落日庵日記 」

老いの手のわななきかざす火桶かな
松本たかし「松本たかし句集」

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榾(ほた)三冬

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【子季語】
ほだ、根榾、榾火、榾明り、榾の主、榾の宿
【解説】
囲炉裏や竈にくべる焚き物。木の幹や枝、切り株などを干し乾燥させたものを使う。柴や小枝など細めのものは、薪という。これらを添えて火をおこす。
【例句】
榾の火に親子足さす侘びねかな
去来「曠野」

榾の火や暁がたの五六尺
丈草「炭俵」

父と子よよき榾くべし嬉し顔
太祇「太祇句集」

榾の火や家につたはる老ひとり
蓼太「蓼太句集」

榾の火や家はめでたき松柱
成美「杉柱」

大榾火鏡のごとく澄みてをり
長谷川櫂「果実」

ここへ来て坐りたまへと榾を継ぎ
高田正子「花実」

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炉(ろ)三冬

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【子季語】
囲炉裏、炉火、炉明かり、炉点前、炉話
【解説】
炉は古来、茶道の切炉のことをさしたが、今では囲炉裏をさすことが一般的である。家の床の一部を切って、薪や榾を焚き暖をとる場である。天井から自在鉤を吊るして鍋をかけ煮炊きなどもする。
【例句】
五つ六つ茶の子にならぶ囲炉裏哉
芭蕉「茶のさうし」

爐の眠り浪こそきかね須磨明石
言水「五子稿」

爐を出でて度々月ぞおもしろき
野水「あらの」

炉に近き窓あり雪の山見ゆる
佐藤紅緑「紅緑俳句集」

父母は目出度きことに炉火にあり
前田普羅「春寒浅間山」

炉火いよよ美しければ言もなし
松本たかし「石魂」

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埋火(うずみび、うづみび)三冬

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uzumibi
【子季語】
いけ火、いけ炭
【解説】
灰の中に埋めた炭火のこと。いけ火、いけ炭ともいう。炉や火鉢によく熾った炭火をたっぷりと灰で覆い、火種を長持ちさせたり火力を調節したりする。
【例句】
埋火も消ゆや涙の煮ゆる音
芭蕉「曠野」

埋火や壁には客の影ぼうし
芭蕉「続猿蓑」

埋火や終には煮ゆる鍋のもの
蕪村「鏡の華」

埋火の夢やはかなき事ばかり
正岡子規「子規句集」

埋火や煙草を探る枕もと
寺田寅彦「寺田寅彦全集」

埋火の手応へもなき火箸かな
星野立子「春雷」

埋火や客去ぬるほどに風の音
富田木歩「定本木歩句集」

埋火や世をくつがへす謀りごと
長谷川櫂「初雁」

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炭(すみ)三冬

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【子季語】
木炭、黒炭、堅炭、軟炭、炭の香、鞍馬炭、小野炭、佐倉炭、炭納屋、炭挽く
【解説】
木炭のこと。楢、檪、栗、樫などの材を炭焼竈で蒸焼にした燃料用材。樹木に水気の乏しい冬季が炭焼の季節であり、炭を焼く白い煙には山里の風情がある。現在では主に料理、茶の湯などで用いられる。かつては冬の暖房用として欠かせぬものであった。  
【例句】
小野炭や手習ふ人の灰せゝり
芭蕉「向之岡」

更くる夜や炭もて炭をくだく音
蓼太「蓼太句集初編」

朝晴れにぱちぱち炭のきげんかな
一茶「七番日記」

炭出すやさし入る日すぢ汚しつゝ
芝不器男「芝不器男句集」

丹念に炭をつぐ妻老いにけり
臼田亜浪「亜浪句鈔」

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屏風(びょうぶ、びやうぶ)三冬

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【子季語】
金屏風、金屏、銀屏風、銀屏、絵屏風、枕屏風、腰屏風、風炉先屏風、産所屏風、衝立、屏風売
【解説】
昔は家屋の隙間風を防いだり仕切りとして使用されていたが、建築や生活の変化により、現代では、美術品として鑑賞されたり祝い事や様々な場の装飾品となった。地方により昔の風習を守って用いられる場合もある。
【例句】
銀屏の夕べ明りにひそとゐし
杉田久女「杉田久女句集」

古屏風の剥落とどむべくもなし
松本たかし「鷹」

躍り出でて虎踏み歩く金屏風
長谷川櫂「初雁」

照り翳りつつ金屏風畳まるる
長谷川櫂「果実」

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雪囲(ゆきがこい、ゆきがこひ)三冬

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【子季語】
雪垣、雪除、雪菰、冬囲い
【解説】
雪深い地方で、強い季節風や、雪の害を防ぐために、丸太を組んで筵、藁などで、家や庭木を守るためにする外囲い。
【例句】
雪かこひするやいなやにみそさざい
浪化「浪化上人発句集」

親犬や天窓であける雪囲ひ  
一茶「七番日記」

山祇の出入りの扉あり雪囲   
前田普羅「普羅句集」

雪垣や隣へ遠き中隣   
馬瓢「発句題叢」

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