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季語と歳時記

きごさい歳時記

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金蓮花(きんれんか)三夏

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kinrenka【子季語】
凌霄葉連、ナスタチューム
【解説】
花はノウゼンカズラ、葉は蓮に似た蔓性の花。五月から八月にかけて黄色、赤、橙色などのあざやかな花を開く。葉が蓮に似ている黄金色の花というところからこの名がある。
【科学的見解】
金蓮花(キンレンカ)は、ノウゼンハレン科の蔓性一年草で原産地は南米。高さ三十センチくらいになる。葉は蓮に似て互生し、茎はつる状に地面を這って伸びる。夏、葉腋から長い花柄を伸ばし、その先端に黄、橙、赤などの五弁の花を咲かせる。花径は四センチくらい。花は食用になり、サラダなどの彩の添えとして活用される。(藤吉正明記)

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百合の花(ゆりのはな) 仲夏

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【子季語】
鬼百合、鉄砲百合、笹百合、姫百合、車百合、山百合、鹿の子百合、透百合、白百合
【解説】
百合は夏、ラッパ形の香り高い花を咲かせる。白に紅の斑がある山百合、黄赤に紫の斑がある鬼百合、花が大砲の筒のような鉄砲百合など、原種だけでも百種以上を数える。「ゆり」の語源は「揺り」で、「百合」の字を当てるのは、ゆり根の鱗茎の重なりあうさまからきている。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや 作者不詳『万葉集』
夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ 坂上郎女『万葉集』
【科学的見解】
百合は、ユリ科の球根植物の総称で、アジア、ヨーロッパ、北アメリカなどの北半球に広く分布する。地下に球状の鱗茎をもちそこから茎が伸びる。五月から八月にかけて一茎に一個または数個の花を咲かせる。ヤマユリは日本原産でおもに本州の山地に自生する。六片の白い花びらに赤い斑点が持ち、高さは百五十センチくらい。花は大輪で二十センチにもなり、強い香りを放つ。オニユリは、古く中国から渡来したものと考えられ、日本全国に広く自生する。六片のオレンジ色の花びらに黒い斑点を持ち、花びらは中ほどから外側へ反り返る。その他にも、在来種としてコオニユリ、ササユリ、テッポウユリ、スカシユリなどがあり、外来種や園芸品種も多数存在する。(藤吉正明記)
【例句】
花をやれとかく浮世は車百合
宗因「続境海草」

わすれ草もしわすれなば百合の花
素堂「山口素堂句集」

百合の花折られぬ先にうつむきぬ
其角「其角発句集」

飴売の箱にさいたや百合の花
嵐雪「玄峰集」

ひだるさをうなづきあひぬ百合の花
支考「喪の名残」

かりそめに早百合生けたり谷の房
蕪村「蕪村句集」

偽りのなき香を放ち山の百合
飯田龍太「山の木」

yurinohana

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睡蓮(すいれん) 晩夏

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suiren【子季語】
未草
【解説】
七月から八月にかけて、水面に浮かぶように咲く花。蓮によく似るが、蓮のように茎が立ち上がらない。印象派のモネが好んで描いた花でもある。【子季語】のヒツジ草は日本の野生種の睡蓮で、未の刻に萎んだり開花したりするからこの名があるといわれる。
【来歴】
『俳諧大成新式』(元禄11年、1698年)に所出。
【科学的見解】
睡蓮は、スイレン科スイレン属の水生植物の総称。熱帯から温帯に広く分布する。外来植物であり、多数の園芸品種が散在する。日本在来のスイレン属植物は、ヒツジグサの一種のみである。睡蓮の地下茎はワサビのように太く、そこから茎を伸ばして光沢のある葉を水面に浮かべる。夏に花茎を伸ばし同じく水面に蓮に似た花を咲かせる。花の大きさは十センチくらい。花の色は、白、赤、黄など。古代エジプトでは神聖視されていた。(藤吉正明記)
【例句】
睡蓮の花沈み今日のこと終へず
臼田亜浪「定本亜浪句集」

睡蓮の敷き重なりし広葉かな
星野立子「立子句集

睡蓮の池より流れ来し一花
高田正子「玩具」

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罌粟の花(けしのはな) 初夏

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kesi【子季語】
芥子の花、花罌粟、薊罌粟、白罌
【関連季語】
罌粟坊主
【解説】
未熟の果実から阿片やモルヒネを作る禁断の花。五月頃、茎の頂に大輪の花を一つつける。花の色は鮮やかで真紅や純白などがある。古くは、薬用や観賞用に植えられたが、今では栽培が禁止されている。ふつう、「罌粟」として詠まれるのは、ヒナゲシが多い。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
【科学的見解】
罌粟は、ケシ科ケシ属の越年草。西アジア、東南ヨーロッパ原産で、観賞用や薬用に栽培される。五月ころ、五十センチほどの茎の頂きに紅、紫、白、絞りなどの花を咲かせる。花径は十センチくらいの一日花である。芥子坊主といわれる未熟の果実に傷をつけ、そこから採れる樹脂が阿片の原料となる。公園や庭先などで観賞用に栽培されているものは、麻薬成分を含まない種である。近年では、植栽されたものの一部が市街地や道端に逸出し、分布を広げている。代表的な種としては、ヒナゲシやナガミヒナゲシなどが存在する。(藤吉正明記)
【例句】
白芥子や時雨の花の咲きつらん
芭蕉「鵲尾冠」

海士の顔先づ見らるゝやけしの花
芭蕉「笈の小文」

白げしに羽もぐ蝶の形見哉
芭蕉「甲子吟行」

散るときの心やすさよ芥子の花
越人「猿蓑」

一つ家や十本ばかり芥子の花
百明「故人五百題」

けしの花見てゐるうちは散らざりし
白雄「白雄句集」

僧になる子の美しや芥子の花
一茶「九番日記」

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葵(あおい、あふひ) 仲夏

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tatiaoi【子季語】
葵の花、花葵、銭葵、蜀葵、立葵、つる葵、白葵、錦葵
【関連季語】
二葉葵
【解説】
『万葉集』以来、葵といえば立葵のことだった。ただ、京都の葵祭の葵は二葉葵、徳川家の「葵の御紋」もそうである。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
梨 棗 黍に粟つぎ 延ふ葛の 後も逢はむと 葵花咲く よみ人しらず『万葉集』
葵草照る日は神の心かは影さすかたにまづなびくらん 藤原基俊『千載集』
【科学的見解】
立葵(タチアオイ)は、アオイ科の多年草。庭や公園などに観賞用として植えられる。高さは二メートルほど。六月から七月にかけて、葉腋に短い花柄を持った大きな花をつける。花は下から順に咲きのぼる。花弁は五個で花径は十センチくらいになる。日本には、古くから薬用として渡来したといわれている。(藤吉正明記)
【例句】
咲のほる梅雨の晴間の葵哉 
成美「杉柱」

あふひ草かかるや賀茂の牛の角
言水「一字題」

酔顔に葵こぼるる匂ひかな 
去来「有磯海」

抱きおこす葵の花やさ月ばれ
蝶夢「草根発句集」

日に動く葵まばゆき寝覚かな
闌更「半化坊発句集」

葵草むすびて古きあそびかな
樗良「樗良発句集」

明星に影立ちすくむ葵かな
一茶「享和句帖」

鶏の塀にのぼりし葵かな 
正岡子規「子規句集」

蜀葵人の世を過ぎしごとく過ぐ
森澄雄「花眼」

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向日葵(ひまわり、ひまはり) 晩夏

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himawari【子季語】
日車、日輪草、天蓋花
【解説】
向日葵は太陽の花。太陽に向かって花の向きを変えると考えて、この名がついた。夏の象徴の花である。
【来歴】
『滑稽雑談』(正徳3年、1713年)に所出。
【実証的見解】
キク科ヒマワリ属の一年草。北アメリカ原産で、公園や庭などで広く栽培される。丈は二メートルほどにもなる。夏、茎頂に花径十五センチほどのあざやかな花を咲かせる。内側の花びらがない花を筒状花、外輪に黄色い花びらをつけた花を舌状花という。種からは油が取れ、食用にもなる。
【例句】
向日葵の月に遊ぶや漁師達
前田普羅「新訂普羅句集」

向日葵の蕋を見るとき海消えし
芝不器男「芝不器男句集」

日を追はぬ大向日葵となりにけり
竹下しづの女「はやて」

向日葵の眼は洞然と西方に
川端茅舎「川端茅舎句集」

向日葵の垂れしうなじは祈るかに
篠原鳳作「海の旅」

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菖蒲(しょうぶ、しやうぶ) 仲夏

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syoubu【子季語】
白菖、水菖蒲、あやめ、あやめぐさ、菖蒲髪
【関連季語】
かきつばた、あやめ、花菖蒲、菖蒲湯、菖蒲葺く、菖蒲引く、菖蒲酒
【解説】
端午の節句になくてはならない水辺の草。水中から剣のような緑の葉をのばし、夏に黄緑の小花をつける。葉には芳香がある。邪気を払う植物の一つであり、端午の節句には菖蒲湯を立て菖蒲酒を作る。古くは「あやめ」「あやめ草」といった。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
白玉を包みて遣らばあやめぐさ花橘にあへも貫(ぬ)くがね 大伴家持『万葉集』
ほととぎす鳴くや五月のあやめぐさあやめも知らぬ恋もするかな よみ人しらず『古今集』
【科学的見解】
菖蒲(ショウブ)は、サトイモ科ショウブ属の多年草。在来の植物であり、日本全国の池や沼などに繁茂する。水中の泥に根茎が横たわり、そこから芳香のある剣状の葉がのびる。五月から七月にかけて、茎の途中から黄緑色の肉穂花序(棒状の花)を出す。同属の植物として、セキショウが存在し、本州から九州の水辺に自生している。(藤吉正明記)
【例句】
あやめ草足に結ばん草鞋の緒
芭蕉「奥の細道」

しだり尾の長屋々々に菖蒲哉
嵐雪「嵐雪句集」

あやめ草綾の小路の夜明けかな
青蘿「青蘿発句集」

道すがら拾ひし菖蒲葺きにけり
石田波郷「雨覆」

菖蒲湯の踏みしだき入る菖蒲かな
長谷川櫂「新年」

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花菖蒲(はなしょうぶ、はなしやうぶ) 仲夏

季語と歳時記

hanasyoubu【子季語】
菖蒲園、菖蒲池、野花菖蒲、菖蒲見、菖蒲田、白菖蒲、黄菖蒲
【関連季語】
かきつばた、あやめ、菖蒲
【解説】
梅雨のころ、各地の菖蒲園などで大きくあでやかな紫や白の花を咲かせる水辺の草。水中や湿地で栽培されるが、陸でもよく育つ。剣状の直立する葉が菖蒲に似ていることから、端午の節句の菖蒲と混同されるが別物。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【科学的見解】
花菖蒲(ハナショウブ)は、アヤメ科の多年草。日本在来の野花菖蒲(ノハナショウブ)の園芸植物であり、多数の品種が作出されている。高さは八十センチくらいで、まっすぐに立った茎の頂点に、白や紫の花びらをつける。他のアヤメ科の花同様、三枚の外花被片(外の花びら)とそれよりも小さな三枚の内花被片(内の花びら)を持つが、アヤメやカキツバタとは違い、内花被片が比較的大きく、外側へそり曲るものが多い。外の花びらのつけ根から花びらの中央に掛けて淡黄色の斑紋があるのも、この花の特徴である。(藤吉正明記)
【例句】
花菖蒲津田の細江の便りかな
青蘿「青蘿発句集」

足首の埃たたいて花さうぶ
一茶「文化句帖」

万座より落せる水の花菖蒲
前田普羅「春寒浅間山」
  

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あやめ 仲夏

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【子季語】
渓(あやめ)、花あやめ、白あやめ
【関連季語】
かきつばた、花菖蒲、菖蒲
【解説】
古来、菖蒲(あやめ)区別するために「花あやめ」と呼ばれてきた草。五、六月ころ、茎の先端に紫または白の花を咲かせる。花びらに網目模様をもち、乾いた草原などに咲く。
【来歴】
『滑稽雑談』(正徳3年、1713年)に所出。
【科学的見解】
あやめは、アヤメ科の多年草。在来種として日本各地の山地や草原に自生していたが、近年は急速に減少し、野生のものが絶滅してしまっている都道府県もある。園芸目的に畑や庭先などで全国的に栽培されている。五、六月ごろつるぎ状の葉の間から茎を伸ばし、紫や白の大花を咲かせる。他のアヤメ科の花同様、三枚の外花被片(外の花びら)は垂さがり、それよりも小さな内花被片(内の花びら)は直立する。外の花びらの付け根は黄色で網目模様を持つ。(藤吉正明記)
【例句】
花あやめ一夜にかれし求馬哉
芭蕉「蕉翁句集」

朝風に帷子軽し花あやめ
露沾「誹林一字幽蘭集」

あやめ草綾の小路の夜明かな
青蘿「青蘿発句集」

壁一重雨をへだてつ花あやめ
鬼貫「鬼貫句選」

あやめ生ひけり軒の鰯のされかうべ
芭蕉「江戸広小路」

片隅にあやめ咲きたる門田かな
正岡子規「子規全集」

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杜若(かきつばた) 仲夏

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【子季語】
燕子花、かほよ花、白かきつばた
【関連季語】
あやめ、花菖蒲、菖蒲
【解説】
尾形光琳の「燕子花図屏風」に描かれている水辺の花。剣のような葉と紫の花で一目でこの花と分かる。「燕子花」字は花の姿が燕の姿を思わせるところから。この花の汁を布にこすり付けて染料にしたことから「書付花」といわれ、それが転じて「かきつばた」となったとされる。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
吾のみやかく恋すらむかきつはたにつらふ妹はいかにかあるらむ よみ人しらず『万葉集』
唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ 在原業平『伊勢物語』 
【実証的見解】
アヤメ科の多年草。五~六月ごろ池や沼などの水辺に咲く。形はあやめを少し大きくした感じ。七十センチほどの直立した茎で葉は広剣状。花の色は、白または紫。他のアヤメ科の花同様、三枚の外花被片(外の花びら)は垂さがり、それよりも小さな内花被片(内の花びら)は直立する。かきつばたの特徴として、外の花びらの付け根から中央にかけて白っぽい筋が一本入る。  
【例句】
杜若語るも旅のひとつ哉
芭蕉「笈の小文」

杜若われに発句の思ひあり
芭蕉「千鳥掛」

有難きすがた拝まんかきつばた
芭蕉「泊船集」

杜若にたりやにたり水の影
芭蕉「続山の井」

朝々の葉の働きや燕子花
去来「俳諧古選」

宵々の雨に音なし杜若 
蕪村「蕪村句集」

実盛が草摺りゆかし杜若
長谷川櫂「初雁」

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