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季語と歳時記

きごさい歳時記

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草刈(くさかり)三夏

季語と歳時記

【子季語】
草刈る、下刈、草刈女、草刈鎌、草刈機
【関連季語】
干草、草取、草泊
【解説】
夏、草を刈ること。農家では刈り取った草を干して、家畜の飼料やたい肥にする。おおむね朝の涼しいうちに行われる。畦や庭などの雑草を鎌で刈るのは「草取」でこの季語とは区別される。
【来歴】
『世話盡』(明暦2年、1656年)に所出。
【文学での言及】
『石中先生行状記』石坂洋次郎
【例句】
草刈の草にむさるる暑さ哉
正秀「続有磯海」

草刈の背中の茣蓙や風はらむ
青木月斗 (同人)

広々と刈草のよく乾くこと
星野立子「立子句集」

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早乙女(さおとめ、さをとめ) 仲夏

季語と歳時記

【子季語】
さうとめ、五月女、月乙女、五月乙女、早女房、田植女、植女
【関連季語】
田植、早苗
【解説】
田植を行う女性をいう。昔は田植の祭儀にかかわる女の人が田の神に仕える装いとして、紺の単衣に赤い帯、白い手拭をかぶり、紺の手甲脚絆、菅笠のそろいの姿で一列にならんで苗を植えた。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
雨過ぐる真菅の小笠かたよりに小田の早乙女早苗とるなり 『夫木和歌抄』
【実証的見解】
さおとめの「さ」は、さなえの「さ」、さなぶりの「さ」などと同様に、「田の神」にささげる稻のことをさす。早乙女は、田の神に仕える乙女であり、「諸社の神田を植うる女のこと」(『滑稽雑談』)であった。
【例句】
五月乙女にしかた望まんしのぶ摺  
芭蕉「曾良書留」

早乙女の下り立つあの田この田かな
太祇「太祇句選後編」

早乙女の五月雨髪や田植笠  
許六「桃の杖」

かつしかや早乙女がちの渉し舟 
一茶「題葉集」

早乙女の祭りのやうに揃ひ出る
涼莵「花橘」

さをとめや汚れぬ顔は朝ばかり
其角「句兄弟」

早乙女やひとりは見ゆる猫背中 
召波「春泥発句集」

早乙女や泥手にはさむ額髪
村上鬼城「定本鬼城句集」 

早乙女の一群すぎぬ栃の花 
前田普羅「飛騨紬」

早乙女の股間もみどり透きとほる
森澄雄「花眼」

早乙女の笠あぐるたび海青く
長谷川櫂「松島」

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田植(たうえ、たうゑ) 仲夏

季語と歳時記

【子季語】
囃田、田植笠、大田植、田植機、花田植、花田牛、御田植祭、御田祭
【関連季語】
早乙女、早苗、田植唄、苗取、早苗饗
【解説】
苗代で育てた早苗を代田に植えること。田植はもともと神事であり、梅雨のころの集落のもっとも大切な共同作業であった。昔は苗をまっすぐ植えるため、一列に並んで植え下がったが、田定規の出現で、前進植えに変わった。現在は機械植がほとんどである。しかし、苗を植える作業は昔も今も農家にとって大切な作業であること変りはない。全国に多くの神事も残っている。
【来歴】
『糸屑』(元禄7年、1694年)に所出。
【例句】
田一枚植て立去る柳かな
芭蕉「奥の細道」

柴付けし馬のもどりや田植樽
芭蕉「土芳筆全伝」

鯰得て帰る田植の男かな
蕪村「蕪村句集」

我影や田植の笠に紛れ行
支考「蓮二吟集」

田うゑ唄あしたもあるに道すから
千代女「千代尼発句集」

やさしやな田を植るにも母の側
太祇「太祇句集」

田を植ゑるしづかな音へ出でにけり
中村草田男「長子」

籬根をくヾりそめたり田植水
芝不器男「芝不器男句集」

田を植ゑて空も近江の水ぐもり
森澄雄「浮鷗」

しづかにも田植ゑて山河あらたまる
森澄雄「鯉素」

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行水(ぎょうずい、ぎやうずい) 晩夏

季語と歳時記

【関連季語】
日向水
【解説】
夏、盥に湯や日向水を張ってする沐浴のこと。田仕事や草刈など夏は外での作業が多く、汗を流してさっぱりするには手軽な方法であった。庶民にとって銭湯しか風呂がなかったころは日常的に行われた。水で行うのは水行水。
【来歴】
『季寄新題集』(嘉永元年、1848年)に所出。
【文学での言及】
『好色一代男』西鶴
【例句】
行水も日まぜになりぬ虫の声
来山「古選」

行水や戸板の上の涼しさに
惟然「藤の実」

行水や月に吹かるるあばら骨
臼田亜浪「旅人」

行水や肌に粟立つ黍の風
杉田久女「杉田久女句集」

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打水(うちみず、うちみづ)三夏

季語と歳時記

【子季語】
水撒き、水打つ
【解説】
暑さを和らげて涼を得るため、あるいは埃を沈めるため庭や路地、玄関、店先に散水すること。また、その水をいう。子供にとって夏休みの夕方に庭に水を撒くことはとても楽しい仕事である。
【来歴】
『四季名寄』(天保7年、1836年)に所出。
【例句】
打ち水に残る涼みや梅の中
丈草「篇突」

打水や挑灯しらむ朝参り
一茶「享和句帖」

うち水や水のくぼみに朝の月
其程「雪つくし」

水打てば夏蝶そこに生れけり
高浜虚子 「六百句」

水打つて四神に畏る足の跡
原石鼎「花影」

立山のかぶさる町や水を打つ
前田普羅「普羅句集」

忘れたきことゝ一途に水を打つ
星野立子「笹目」

水打つて小路の奥に東山
長谷川櫂「蓬莱」

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虫干(むしぼし) 晩夏

季語と歳時記

【子季語】
虫払ひ、土用干、曝書、書を曝す、曝涼、風入れ
【関連季語】
土用
【解説】
夏の土用の頃、晴天の日をえらんで、衣類や書物を干したり、風に当てたりすること。黴や虫などの害を防ぐ。書物を曝すことを曝書という。寺社の宝物などの虫干しはお風入などともいう。 
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【例句】
罪ふかき女めでたし土用干
鬼貫「真蹟」

無き人の小袖も今や土用干
芭蕉「猿蓑」

龍宮もけふの塩路や土用干
芭蕉「六百番俳諧発句合」

鎧着てつかれためさん土用干
去来「続虚栗」

かけたらぬ女心や土用干し
千代女「古人筆俳句帳」

虫干しや甥の僧訪ふ東大寺
蕪村「蕪村句集」

政宗の眼もあらん土用干
正岡子規「寒山落木」

虫干や千畳敷を大般若
藤野古白「古白遺稿」

母の刀自この世にありて土用干
長谷川櫂「天球」

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日傘 (ひがさ) 三夏

季語と歳時記

higasa【子季語】
絵日傘、白日傘、日からかさ、パラソル
【関連季語】
春日傘
【解説】
夏の強い日差しを防ぐための傘。主に女性が用いる。江戸時代の日傘は、竹の骨に紙を張っただけのもの。雨用とは違い、油や渋は塗らなかった。最近では白ばかりではなく、黒い色のものも目にする。
【来歴】
『をだまき綱目』(元禄10年、1697年)に所出。
【例句】
降るものは松の古葉や日傘(ひからかさ)
嘯山「類題発句集」

山うどの山出て市は日傘かな
一茶「寛政紀行」

白日傘道に沿うたり外れたり
長谷川櫂「蓬莱」

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風鈴(ふうりん)三夏

季語と歳時記

♪
【子季語】
風鈴売
【解説】
夏、その涼を聞いて涼を得るための小さな鐘のことである。なかに風鈴を鳴らす金属製の舌があり、その舌につるした短冊が風に吹かれて、チリンチリンと鳴る。金属のほかガラス、陶器などで作ったものがあり、音色も形も素材により様々である。鉄は南部風鈴、ガラスは江戸風鈴が有名。
【例句】
ふかぬ日の風鈴は蜂のやどりかな
言水「京日記」

風鈴や花にはつらき風ながら
蕪村「遺草」

風鈴や草匂ふほど水きけり
富田木歩「定本木歩句集」

風鈴や古典ほろぶる劫(とき)ぞなし
竹下しづの女「はやて」

風鈴とたそがれてゐしひとりかな
加藤楸邨「望岳」

風鈴や天駆け巡りくる風に
長谷川櫂「虚空」

 

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団扇(うちわ、うちは)三夏

季語と歳時記

【子季語】
団、白団扇、絵団扇、絹団扇、渋団扇、水団扇、京団扇、奈良団扇、古団扇、団扇売
【関連季語】
扇
【解説】
夏、あおいで風を起こし涼を得る道具。竹の骨に紙を張り、柄を取り付けたもの。絵をほどこしたものは絵団扇。焚物の火を盛んにしたり、蚊や蝿を追うなど用途はさまざま。開閉自在の扇が平安時代に日本で考案されるまでは、扇といえば団扇のこと。江戸時代には「団」とも書いた。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【例句】
団扇もてあふがん人のうしろつき
芭蕉「笈日記」

絵団のそれも清十郎にお夏かな
蕪村「蕪村句集」

手すさびの団画ん草の汁
蕪村「蕪村句集」

あふぎつつひとの子誉むる団かな
几菫「晋明集二稿」

蚊帳の中団扇しきりに動きけり
杉田久女「杉田久女句集」

君来ねば柱にかけし団扇かな
村上鬼城「鬼城句集」

奈良団扇すなはち白を選びけり
長谷川櫂「蓬莱」

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扇(おうぎ、あふぎ)三夏

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ougi【子季語】
扇子、絵扇、絹扇、白扇、古扇、小扇、扇売
【関連季語】
団扇
【解説】
夏、扇いで涼をとるための道具。数十本の竹の骨を束ねて末広状にし要の一点で固定したものに紙や絹を張ったもの。団扇を折り畳みにしたものであるが、団扇がくつろいだ場所で使われるのに対し扇は外出用、儀式用に多く用いられる。平安前期、日本で生み出された。風流な絵が描かれたものを絵扇という。また、檜扇はかつて殿上人が用いた。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【例句】
はな帋(かみ)を扇につかふ女かな
信徳「我が庵」

富士の風や扇にのせて江戸土産
芭蕉「蕉翁全伝」

野はづれや扇かざして立どまる
利牛「別座鋪」

渡し呼草のあなたの扇哉
蕪村「蕪村句集」

日帰りの小づかひ記す扇哉
一茶「新集」

これみつが蜘捨にたつ扇かな
大江丸「俳懺悔」

我を指す人の扇をにくみけり
高浜虚子「五百句」

渋扇ばさりと開きゆさゆさと
長谷川櫂「虚空」

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