夏野の鹿(なつののしか) 三夏
【子季語】
夏の鹿/親鹿
【解説】
角が生えかわりはじめたばかりの鹿である。群れから離れ単独でいることが多い。雌は出産したばかりなので、子育てに気をとられる。
シカ(ニホンジカ)は、ウシ目(偶蹄目)シカ科の哺乳類で、日本に生息する種は北海道のエゾジカから沖縄のケラマジカまで六亜種に分類されている。
体毛は夏毛と冬毛を有し、夏毛は明るい茶色に白点が入り混じる模様となる。初夏に生まれる仔や成長した雄雌も同じ白点交じりの模様となり、木漏れ日などに擬態していると言われている。白点斑入りの模様は個体によって異なるため、個体識別の手掛かりとなる。(藤吉正明記)
【例句】
人声に子を引きかくす女鹿かな
一茶「おらが春」