蛇(へび)三夏
【子季語】
くちなは、ながむし、へみ、青大将、赤楝蛇、縞蛇、烏蛇、じむぐり
【関連季語】
蛇穴を出づ、蛇穴に入る、蛇衣を脱ぐ、蝮
【解説】
縄のように長い虫。冬は冬眠し春に出てきて夏よく活動する。蝮やハブなど有毒なものもいるが、ほとんどは無害である。時折水面を走るのを見かけることもある。昔からの言い伝えに「蛇は家の守り神」と言われ、ネズミを捕ることから伝染病を防いでくれるものとされてきた。
【来歴】
『俳諧通俗誌』(享保元年、1716年)に所出。
【科学的見解】
蛇は、体がケラチン質の鱗で覆われ、四肢がなく、極端に細長い形をした爬虫類である。日本には、メクラヘビ科(ブラーミニメクラヘビ)、セダカヘビ科(イワサキセダカヘビ)、タカチホヘビ科(タカチホヘビ等)、ナミヘビ科(アオダイショウやシマヘビ等)、クサリヘビ科(ニホンマムシやハブ等)、コブラ科(ヒャンやエラブウミヘビ等)の六科に属する五十種程が分布している。マムシ類や一部のウミヘビ類は直接胎生により幼体(幼蛇)を産むが、その他の多くの種は球状から細長いウリ状の卵を土中もしくは岩陰に複数個産み付ける。全ての種は肉食性であり、主にミミズや両生・爬虫類、鳥類、ネズミ等の小型哺乳類等が捕食されているが、中には水中のカエルの幼生や魚類、シロアリ等の昆虫類を捕食する種も存在する。(藤吉正明記)
【例句】
草の葉の蛇の空死したりけり
一茶「句帖」
樹々深し蛇の落たる傘の上
嘯山「葎亭句集」
