宝の市(たからのいち) 晩秋
【子季語】
升市/住吉の市/取鉢/住吉相撲会
【解説】
大阪市住吉区の住吉大社の祭礼。昔は、相撲会があり、黄金の升に新穀を盛り、枡を売る市も立った。信者から奉納される品々を 宝物として参詣者に授与したので、幸運を願う人々が集まる。現在は、十月十七日から三日間、「宝の市神事」のみ行われている。
【例句】
買勝やたからの市の国みやげ
才麿「宝の市」
升買うて分別かはる月見かな
芭蕉「住吉物語」
升の市塩屋長次が月見かな
許六「正風彦根躰」
あきらかな月を宝の市場かな
雨候「新類題発句集」
升市や月も寄せくる松の上
蝶衣「青垣山」