銀杏の花(いちょうのはな/いちやうのはな) 晩春
【子季語】
公孫樹の花/ぎんなんの花/花銀杏
【解説】
裸子植物で落葉高木。中国原産。目立たない花だが四月頃、新葉 とともに雌花、雄花が別々の株に咲く。雌花は緑色で花柄の先に 二個の胚珠をもつ。雄花は薄黄色の短い穂状。雄花の花粉が風に 乗って雌花の胚珠に受精する。実がぎんなん。
【科学的見解】
銀杏の標準和名は、イチョウであり、主に食用になる種子に対して銀杏という言葉が使われている。イチョウは、イチョウ科の落葉高木で、中国で発見された後、現在では世界各地に街路樹や公園木として植栽されている。花は、雄花が集まった雄性球花と雌花をそれぞれ別個体に形成し、雌雄異株となる。そのため、ヤマモモやイチイ同様に、複数個体存在しないと果実が実らない。(藤吉正明記)
【例句】
銀杏の花や鎌倉右大臣
内藤鳴雪「鳴雪俳句鈔」