蟇穴を出づ(ひきあなをいづ) 仲春
【子季語】
蟇穴を出る/蟇出づ
【解説】
冬眠から覚めた蟇が穴を出て動き出すこと。穴を出た蟇は、雌を求めてぐゎぐゎと低い声で鳴き始める。
【科学的見解】
蟇は、止水域の池や沼もしくは山地渓流付近に接する雑木林等の倒木や落ち葉の中で越冬する個体が多く、気温の上昇とともに冬眠場所から出て、餌を探し回るようになる。その時期は、繁殖の時期でもあるため、湿度の高い夜間に水辺付近に行くと、冬眠から目覚めたヒキガエル類(ニホンヒキガエルやアズマヒキガエル等)が鳴き合い、産卵する様子を観察することができる。ヒキガエル類は種によって若干異なるが、基本的にはクウッ・クウッ・クウッ・クウッと不規則な連続音で鳴き、雄が雌の背中を抱きかかえるようにして産卵を促し、ヒモ状の卵塊を水中に産み付け、体外受精を行う。(藤吉正明記)
