鳧(けり) 三夏
【子季語】
鳧の子
【解説】
チドリ科、三十センチほどの大きさで、足の長い大形の千鳥。目が赤く嘴は鮮やかな黄色で羽毛は茶褐色。繁殖期は四~六月、水 田、川原、草地に住みケリリ、キリッと鋭い声で鳴く。名前はこの鳴き声に由来している。
【科学的見解】
ケリは、チドリ科の鳥類で、本州の水田や河川、草原等に広く分布しているが、繁殖地は局所的とのことである。湿地等のぬかるんだ場所での行動のためか、長い足を持っているところが特徴である。本種は地上で営巣し、産卵数は三個から四個程度である。似た名を持つ鳥として、同じ科のタゲリが存在するが、タゲリは本種より足が短く、冠毛(頭部に長く伸びた羽根)を持つところが特徴である。(藤吉正明記)
【例句】
水札(けり)の子の浅田に渡る夕かな
暁台「暁台句集」