田鳧(たげり) 三冬
【解説】
チドリ目チドリ科ケリ属。冬鳥として渡来する。体色の一部は光沢のある緑褐色で美しい。腹部は白、体長は三十センチ程度で、虹彩は黒く、後頭部から長く黒い冠羽が出ている。刈り田や農地に棲む。ケリ属の名は「ケリリ」という鳴き声に由来する。同属のケリにはこの冠羽がなく体色も褐色で地味である。
【科学的見解】
タゲリは、チドリ科の野鳥で、本州以南の地域に主に冬鳥として渡来する。頭部の細長い冠羽が特徴的な鳥である。渡来後は、水田を中心に干潟や河原などの開けた見通しの良い平地環境を好み、昆虫等を足で追い出して捕食する。非繁殖期では、集合性の強い鳥であり、数個体から数十個体程度の群れで行動している。近縁種としては、同属のケリが知られており、本種に対してケリは冠羽がなく、細長い足を持つところが特徴である。(藤吉正明記)