桑扈(いかる)三夏
【子季語】
鵤/斑鳩/豆回し
【解説】
九州以北に分布し、平地から山地の落葉広葉樹林に生息する、二 十三センチほどの鳥。灰色の体は太目で、黄色く大きな嘴が目 立つ。キキョコキーとさえずる。豆を口にふくんでくるくる回し ながら縦に割る習性があるので、豆回しともいう。
【科学的見解】
イカルは、アトリ科の鳥類で、九州以北から北海道までの低山から山地の落葉広葉樹林内で繁殖する。冬期は、暖地や低地に移動する個体もいる。近縁種としては、コイカルが知られており、主に冬鳥として西日本に渡来する。本種は、嘴が黄色に対して、コイカルは嘴が橙色であるため、識別しやすい。両種ともに主に木の実・種子を採食する。産卵期は五月から七月で、三個から四個程度産卵する。(藤吉正明記)