玉巻く甘藍(たままくかんらん) 仲春
【子季語】
玉巻くキャベツ/春キャベツ
【解説】
それまで外側に反っていた葉が、春になって内側に結球し始める キャベツのこと。球全体が比較的ふわふわしている。愛知県 の渥美半島などで栽培される春キャベツは、春系キャベツといわ れるもので葉が薄く柔らかい。
【科学的見解】
甘藍の標準和名は、キャベツ(別名:タマナ)であり、明治以降に導入され各地で栽培されている。生産地としては、群馬県の嬬恋村が有名である。本種は、アブラナ科アブラナ属の野菜であるが、近縁の変種としてハボタン、カリフラワー、メキャベツ、コールラビ等が知られている。本種は、放射状に葉を展開し、その後中央部にある生長点を守るように結球するため、球菜という名もつけられている。秋遅くに種子を播いてしまうと、生長が遅れ、春先結球しない(玉にならない)個体となってしまう。(藤吉正明記)