岩桔梗(いわぎきょう/いはぎきやう) 晩夏
【解説】
キキョウ科の多年草。寒冷な高山の砂地や岩の割れ目などに自生 する。花は桔梗に似た青紫色で、花茎の頂に一個~三個咲く。下方に細かい鋸歯の葉を互生させる。根は岩や石の間に入りこんで 伸びる。危うい場所で風に吹かれている花は高貴な感じがする。草丈は五~十五センチ。
【科学的見解】
イワギキョウは、キキョウ科の多年草であり、本州中部以北から北海道までの高山の砂礫地に生育している。本種と同じような環境に生育するチシマギキョウが知られているが、葉の縁やガク裂片の鋸歯の違い等で区別することができる。両者ともキキョウに似ているためにそのような名が付けられているが、系統としては花が赤紫色のホタルブクロにより近い植物である。(藤吉正明記)