茜草(あかね) 初秋
【子季語】
あかねかづら
【解説】
アカネ科のつる性他年草。中国、朝鮮、日本各地の山野、林道脇などに自生する。蔓性であるが巻きつくより、四角い茎に生えた棘を利用して他の植物を引っかけたり、からみつたりして成長する。各節に四枚の葉が輪生し八、九月頃白色の小花をつける。根から赤い染料を採る。生薬の茜根(せいこん)は止血剤として用いられる。
【科学的見解】
アカネは、本州から九州の山野に普通に見られる多年草である。茎や葉には逆向きの刺があり、ハート型をした四枚の小葉を輪生につけるところが特徴である。つる性植物の這い上がり戦略はいろいろ方法があるが、本種は植物体全体に存在する刺を利用し、周辺植物に頼りながら伸長し、光を受け取っている。同属近縁種としては、小葉が六から八枚輪生するオオアカネが知られている。(藤吉正明記)