纈草(かのこそう/かのこさう) 晩春
【子季語】
鹿子草/はるをみなへし
【解説】
オミナエシ科カノコソウ属の多年草。日本各地の湿った草地に自生する。丈は六十センチから七十センチくらい。茎葉は羽状複葉で対生する。四月ころ、おみなえしに似た淡紅色の花を咲かせる。花を上から見ると、鹿の子しぼりに見えることからこの名がある。
【科学的見解】
カノコソウは、スイカズラ科(旧オミナエシ科)の多年草で、北海道から九州までの山地の草原に生育している。花の付き方や葉の切れ込みの形がオミナエシに似ていることから、別名はハルオミナエシとも呼ばれている。近縁種としては、ツルカノコソウが知られているが、ツルカノコソウには茎元に地上を這う走出枝があるため、容易に区別できる。(藤吉正明記)