亀鳴く(かめなく)三春 季語と歳時記 【子季語】 亀の看経 【解説】 春ののどかな昼、あるいは朧の夜に亀の鳴く声が聞こえるような気がする。亀は実際には鳴かないが、俳句の季語として親しまれている。『夫木和歌集』にある藤原為家の「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなり」が典拠とされている。 【来歴】 『俳諧歳時記』(享和3年、1803年)に所出。 【例句】 亀鳴くや皆愚なる村のもの 高浜虚子「五百句」 亀鳴くと嘘をつきなる俳人よ 村上鬼城「鬼城句集」 亀鳴くや月暈を着て沼の上 村上鬼城「鬼城句集」