柳散る(やなぎちる)仲秋
【子季語】
黄柳、柳黄ばむ、散る柳
【解説】
秋の中頃、葉は黄ばみ、一葉ずつ、時をかけて散り尽す。たおやかに揺れて散るさまは、秋そのもの。
【例句】
庭掃きて出でばや寺に散る柳
芭蕉「奥の細道」
船よせて見れば柳のちる日かな
太祇「太祇句選後篇」
柳散り清水涸れ石処々
蕪村「反古衾」
柳散るやただ土くれの西東
白雄「古にし夢」
柳散るや少しタベの日のよわり
暁台「暮雨巷句集」
柳散り棄屑流るる小川かな
正岡子規「寒山落木」
柳散る紺屋(こうや)の門の小川かな
夏目漱石「漱石全集」
散り残る柳が触れる心地かな
五島高資「蓬莱紀行」