山雀(やまがら)三夏
【解説】
シジュウカラ科の鳥。雀ほどの大きさで体色は茶色っぽい。雌雄同色。低山帯の林に棲む留鳥。昆虫のほか木の実を食べる。動作は軽快で、鳴き声が美しい。
【科学的見解】
ヤマガラは、シジュウカラ科の鳥類で、ほぼ全国的に留鳥として生息している。習性としては、秋になるとエゴノキやスダジイ等の木の実を隠し、冬の備えとする貯食行動が特徴である。産卵期は三月から六月で、三個から八個程度産卵する。鳴き声は、同じカラ類のシジュウカラと似ている。近縁種としては、伊豆諸島南部にのみ留鳥として局所分布しているオーストンヤマガラが知られている。(藤吉正明記)
【例句】
山雀の高音に成るも別れかな
去来「裸麦」
山雀は芸をしながらわたりけり
一茶「八番日記」
山雀や榧の老木に寝にもどる
蕪村「蕪村句集」
山雀の山を出でた日和な
藤野古白「古白遺稿」