富士詣(ふじもうで/ふじまうで) 仲夏
【子季語】
富士道者/富士行者/富士禅定/山上詣/富士講/浅間講/お頂上
【解説】
信仰の山である富士山に登り、富士権現に参詣することをいう。昔は、富士講、浅間講という講中があり、陰暦の六月一日から二十日までの間に、修験のいでたちで富士山に詣でた。
【例句】
衣裳もやみな白妙の富士詣
信得「狂遊集」
数珠玉や里の下草富士詣
才麿「江戸弁慶」
時しらぬ布子羽織や富士詣
米翁「蘇明山荘句藻」
うすものに雲の匂やふじ詣
春和「ひこ鯛」
焼土にずりこむ杖や富士詣
赤木格堂「春夏秋冬」