玉虫(たまむし) 晩夏 季語と歳時記 【子季語】 吉丁虫 【解説】 甲虫目タマムシ科で体長三センチから四センチの紡錘形の甲虫。美しい金緑色をしており背中にあでやかな紅紫色の筋が縦に二本入っている。その翅の美しさから吉兆の虫とされ吉丁虫とも呼ばれてをり、死後も翅の色が退色しないことから古代から装飾品に用いられた。法隆寺の国宝「玉虫厨子」が有名である。女性に関わる俗信が多く、女性が持っていると良縁に恵まれるなどと伝えられていた。 【例句】 玉虫や瑠璃翅乱れて畳とぶ 杉田久女「杉田久女句集」 玉虫はおのが光の中に死にき 加藤楸邨「山脈」