田草取(たくさとり) 晩夏
【子季語】
田草引く/一番草/二番草/三番草/留草
【解説】
田に生える雑草を取り除くこと。また,その作業をしている人。田植え後七日から十日後に取る草を「一番草」、以後,稲の花が咲く頃まで約十日ごとに二回から四回程、草取りを行う。暑さの中、稲の葉先や虫に妨げられる大変な作業であるが、稲の新根を出し、丈夫に育てるためのたいせつな作業。現在は除草剤や除草機の普及によりあまり見られない光景である。
【例句】
焼鎌の背中にあつし田草取
其角「五元集拾遺」
物いはぬ夫婦なりけり田草取
蓼太「蓼太句集」
山一つ背中に重し田草取り
蓼太「蓼太句集初編」
葉ざくらの下陰たどる田草取り
蕪村「新花摘」
草採りの背中うちこす稲葉かな
蝶夢「草根発句集」
二番草過て善光寺参り哉
一茶「文政句帖」