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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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冬(ふゆ)三冬

季語と歳時記

huyunokawa
【子季語】
三冬、九冬、玄冬、玄英、黒帝、玄帝、冬帝、冬将軍
【解説】
四季のひとつ。二十四節気の立冬十一月八日頃から立春前日二月三日頃までの期間。陽暦ではだいたい十二月・一月・二月、天文学上は冬至から春分までの期間をいう。「山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思えば」源宗于・『古今和歌集』とあるように、枯れた淋しさやものの終わりというのが本意。
【例句】
石枯れて水しぼめるや冬もなし
芭蕉「東日記」

しづかさや二冬なれて京の夜
其角「韻塞」

打ちやむに間のなき冬の碪かな
来山「生駒堂」

冬旅の前はおほきな湖水かな
北枝「喪の名残」

松原や時雨せぬ日も冬の音
杉風「杉丸太」

聞かせ合ふ町の咄や冬の里
野坡「蝶すがた」

起き憂きを起き出て冬の勇みかな
太祇「太祇句集後編」

住吉や冬わすれむとひとにあふ
闌更「春秋稿根七編」

冬すでに路標にまがふ墓一基
中村草田男「長子」

山河はや冬かがやきて位に即けり
飯田龍太「百戸の谿」

梅漬の種が真赤ぞ甲斐の冬
飯田龍太「涼夜」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

赤のまんま(あかのまんま)初秋

季語と歳時記

【子季語】
犬蓼の花、赤のまま、赤まんま、花蓼
【解説】
タデ科の一年草。山野や路傍に自生する。初秋、小粒の穂状の紫紅色の花を咲かせる。この粒状の花をしごき取り、赤飯にみたてて、ままごとに使って遊んだことから、「赤の飯(まんま)」とよばれる。
【科学的見解】
赤のまんまに活用される植物は、タデ科の複数種が含まれているが、人里付近に自生している最も一般的な種は、犬蓼(イヌタデ)である。イヌタデは、在来の一年草であり、全国において普通に見られる植物である。和名は、タデ酢に活用するものとは異なり、葉に辛味がなく役に立たないということから、イヌタデとなった。犬(イヌ)は、否(イナ)から生した言葉である。(藤吉正明記)
【例句】
犬蓼の花に水落ち石出たり
村上鬼城「定本鬼城句集」

赤のまま摘めるうまごに随へり
臼田亜浪「定本亜浪句集」

舟あがるときつかみたる赤のまま
高田正子「花実」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

松茸(まつたけ)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
土瓶蒸し
【解説】
秋を代表する茸の王様。独特の芳香があり吸い物、土瓶蒸しなどにして楽しむ。近年赤松林の手入れが行き届かないため収穫が減っている。外国産のものや香りを添加したものも出回っている。
【科学的見解】
松茸(マツタケ)は、キシメジ科キシメジ属の菌類で、共生菌の代表種である。マツタケの共生植物としては、一般的に赤松(アカマツ)が知られているが、一部の地域ではその他のマツ科を中心とした樹木にも共生する。マツタケは、腐生菌とは異なり、工場内での人工栽培ができないため、収量の減少とともに、茸(子実体)は高値で取引されている。マツタケに似た在来種としては、バカマツタケやマツタケモドキなどが存在する。(藤吉正明記)
【例句】
まつ茸やしらぬ木の葉のへばりつく
芭蕉「続猿蓑」

松茸やかぶれた程は松の形
芭蕉「俳諧曾我」

松茸や人にとらるゝ鼻の先 
去来「けふの昔」

松茸や都に近き山の形 
惟然「笈日記」

松茸は京の荒砂こぼしけり
長谷川櫂「果実」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

露草(つゆくさ)三秋

季語と歳時記

【子季語】
月草、かま草、うつし花、蛍草、青花、帽子花、百夜草、鴨跖草
【解説】
道ばたや庭先にふつうにみかける秋の草。貝の形の小さいがあざやかな青い花は、古くから染料にも使われてきた。月草、蛍草ともいう。
【科学的見解】
露草(ツユクサ)は、ツユクサ科ツユクサ属の一年草である。日本在来の植物であり、全国の野山や都市で普通に見られる。在来の植物の中では、数少ない青い花を咲かせる植物である。ツユクサの変種としてオオボウシバナが存在し、ツユクサよりも大きい花弁をつける。(藤吉正明記)
【例句】
露草のさかりをきえて夜の雲
闌更「三傑集」

月草の色見えそめて雨寒し
暁台「暁台句集」

朝風や蛍草咲く蘆の中
泉鏡花「鏡花全集」

露草も露のちからの花ひらく
飯田龍太「百戸の谿」

鎌の刃は露草の花つけてをり
長谷川櫂「天球」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

女郎花(おみなえし、をみなへし)初秋

季語と歳時記

【子季語】
をみなめし、粟花、血目草
【解説】
秋の七草のひとつ。日あたりの良い山野に自生する。丈は一メートルほどになり茎の上部に粒状の黄色い小花をたくさんつける。庭や畑に植え切り花としてもちいる。
【科学的見解】
女郎花(オミナエシ)は、オミナエシ科オミナエシ属の多年草で、北海道から九州まで分布している。オミナエシは、草地に生える植物であるが、近年、全国的に草地が減少しているため、野生のオミナエシの個体数も減っている。近縁種として、白い花を咲かせる男郎花(オトコエシ)が存在する。(藤吉正明記)
【例句】
見るに我も折れるばかりぞ女郎花
芭蕉「続連珠」

ひよろひよろと猶露けしや女郎花
芭蕉「曠野」

女郎花牛が通ればたふれけり
蝶夢「草根発句集」

牛に乗る嫁御落とすな女郎花
其角「句兄弟」

女郎花少しはなれて男郎花
星野立子「立子句集」

丈に出てそこらさびしきをみなへし
森澄雄「花間」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

桔梗(ききょう、ききやう)初秋

季語と歳時記

kikyou02【子季語】
きちこう、おかととき、ありのひふきぐさ、一重草
【解説】
きりっとした輪郭、折り目ただしい花の姿には凛とした風情がある。紫を主とするが、白桔梗にも捨てがたい魅力があろう。山上憶良が詠った朝顔は桔梗のことである。秋の七草のひとつ。
【科学的見解】
桔梗(キキョウ)は、キキョウ科キキョウ属の多年草で、北海道から九州まで分布している。花期は、七月から八月であり、釣鐘型の大きな花をつける。オミナエシ同様、生育環境としての良好な草地が減少していることから、急激に個体数を減少ささせ、現在野生のものは滅危惧種に指定されている。しかし、園芸店には種子や苗が販売されているため、公園や庭先などで栽培されているものを見ることができる。(藤吉正明記)
【例句】
きちかうの露にも濡れよ鞠袴
凡兆「井華集」

桔梗咲て何れも花のいそぎ哉
暁台「暁台句集」

桔梗の花咲時ほんと言ひさうな
千代尼「千代尼句集」

紫のふつとふくらむ桔梗かな
正岡子規「子規句集」

女三十桔梗の花に似たるあり
松瀬青々「倦鳥」

桔梗一輪死なばゆく手の道通る
飯田龍太「麓の人」

切妻の家たちならぶ桔梗かな
長谷川櫂「初雁」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

曼珠沙華(まんじゅしゃげ)仲秋

季語と歳時記

【子季語】
彼岸花、死人花、天蓋花、幽霊花、三昧花、捨て子花、したまがり、狐花、まんじゆさげ
【解説】
曼珠沙華は天界に咲く赤い花を表す梵語。秋、田畑の畦や土手に咲くヒガンバナ科の多年草で群生する。墓地の近辺にみられることも多いため彼岸の名がつく。毒があるといわれるが鱗茎には澱粉が多く食用にもなる。昔は飢饉に備えて植えられていたという説もある。
【科学的見解】
曼珠沙華の標準和名は、彼岸花(ヒガンバナ)である。ヒガンバナは、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草であり、日本全国の野山で普通に見られるが、在来種ではなく中国から渡来した外来種とされている。開花後、種子は作らず、球根(鱗茎)で増える。(藤吉正明記)
【例句】
此ごろの西日冷じ曼珠沙華
蓼太「蓼太句集二編」

まんじゆさげ蘭に類ひて狐啼く
蕪村「夜半叟句集」

仏より痩せて哀れや曼珠沙華
夏目漱石「漱石全集」

かたまりて哀れさかりや曼珠沙華
田中王城「改造文学全集」

曼珠沙華落暉も蘂(しべ)をひろげけり
中村草田男「長子」

九十九里の一天曇り曼珠沙華
加藤楸邨「野哭」

西国の畦曼珠沙華曼珠沙華
森澄雄「鯉素」

曼珠沙華食ひちぎられしごとくなり
長谷川櫂「天球」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

葛の花(くずのはな)初秋

季語と歳時記

【解説】
マメ科の蔓性多年草。秋の七草の一つ、日当たりのよい山野、荒地に自生する。紅紫色の蝶形花で、上向きについた花穂は下から上へ咲きのぼる。大きな葉に隠れがちだが美しい花である。根から葛粉をとる。
【科学的見解】
葛(クズ)は、在来の植物であり、北海道から九州まで普通に見られる。花期は、八月から九月であり、香りの良い花を咲かせる。花を乾燥させて、葛花茶として利用する他、根に含まれた澱粉を採取・利用する。また、茎内には光沢のある繊維が含まれており、昔からそれらを取り出し葛布が作らててきた。現在でも、静岡県の掛川付近で葛布が生産されている。(藤吉正明記)
【例句】
取り沙汰も無事で暮れけり葛の花 
凡兆「岨の古畑」

もやもやとしてしづまるや葛の花
山店「芭蕉庵小文庫」

山深み散るか凋むか葛の花
白雄「白雄句集」

葛の葉の吹きしづまりて葛の花
正岡子規「子規句集」

あなたなる夜雨の葛のあなたかな
芝不器男「芝不器男句集」

坊毎に懸けし高樋よ葛の花
杉田久女「杉田久女句集」

葛の花母見ぬ幾年また幾年
石田波郷「雨覆」

葛の花夜汽車の床に落ちてゐし
長谷川櫂「古志」

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荻の声(おぎのこえ、おぎのこゑ)初秋

季語と歳時記

【子季語】
荻の風、荻吹く、ささら荻
【解説】
荻の葉を揺らす風がたてる音のこと。荻は昔から秋を知らせる草とされた。ヲギは、神または霊魂を招くというヲグから来ているとされる。人々は荻の葉のそよぐ音に神の声を聞いたのである。
【例句】
荻の声こや秋風の口うつし
芭蕉「続山井」

荻の声舟は人なき夕べかな
闌更「半化坊発句集」

荻を見に来れば道々荻の声
月居「月居七部集」

風の音や汐に流るる荻の声
幸田露伴「露伴全集」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

芒(すすき)三秋

季語と歳時記

【子季語】
薄、一叢薄、糸薄、一本薄、鬼薄、芒原、まそほの薄、真赭の糸、むら薄 、鷹の羽薄、はた薄、薄の糸、薄野、乱れ草、袖波草、露曾草、頻浪草、縞薄【解説】
イネ科の多年草。月見のおそなえとして秋の代表的な植物。秋の七草のひとつでもある。若い穂はしっとりとして油に濡れたよう。箱根の仙石原などで銀色の穂がいっせいになびくさまは壮観である。
【科学的見解】
芒(ススキ)は、イネ科ススキ属の植物であり、日本の在来種として全国的に山地から平地までの日当たりの良い場所に生える。草丈は、二メートル程になり、八月から十月頃に開花する。近縁種に荻(オギ)が存在するが、ススキが乾燥地に生えるのに対して、オギは水辺に生育している。(藤吉正明記)
【例句】
糸薄蛇にまかれてねまりけり
芭蕉「句解参考」

何ごともまねき果たるすゝき哉
芭蕉「続深川集」

猪追ふや芒を走る夜の声
一茶「句帖」

行く秋の四五日弱るすすきかな
丈草「猿蓑」

一雨のしめり渡らぬ薄かな
支考「西の雲」

山は暮て野は黄昏の薄哉
蕪村「蕪村句集」

夕闇を静まりかへるすすきかな
暁台「暁台句集」

この道の富士になり行く芒かな
河東碧梧桐「碧梧桐句集」

取り留むる命も細き薄かな
夏目漱石「漱石全集」

ワガハイノカイミヨウモナキススキカナ
高浜虚子「贈答句集」

薄きるに出かけの月の大きさよ
松瀬青々「松苗」

生ふるまゝ芒の庭となし置きぬ
松本たかし「石魂」

金の芒はるかなる母の禱りをり
石田波郷「惜命」

草枕こよひ芒を枕かな
長谷川櫂「初雁」

日の匂ひして生けらるるすすきかな
高田正子「花実」

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