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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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あやめ 仲夏

季語と歳時記

【子季語】
渓(あやめ)、花あやめ、白あやめ
【関連季語】
かきつばた、花菖蒲、菖蒲
【解説】
古来、菖蒲(あやめ)区別するために「花あやめ」と呼ばれてきた草。五、六月ころ、茎の先端に紫または白の花を咲かせる。花びらに網目模様をもち、乾いた草原などに咲く。
【来歴】
『滑稽雑談』(正徳3年、1713年)に所出。
【科学的見解】
あやめは、アヤメ科の多年草。在来種として日本各地の山地や草原に自生していたが、近年は急速に減少し、野生のものが絶滅してしまっている都道府県もある。園芸目的に畑や庭先などで全国的に栽培されている。五、六月ごろつるぎ状の葉の間から茎を伸ばし、紫や白の大花を咲かせる。他のアヤメ科の花同様、三枚の外花被片(外の花びら)は垂さがり、それよりも小さな内花被片(内の花びら)は直立する。外の花びらの付け根は黄色で網目模様を持つ。(藤吉正明記)
【例句】
花あやめ一夜にかれし求馬哉
芭蕉「蕉翁句集」

朝風に帷子軽し花あやめ
露沾「誹林一字幽蘭集」

あやめ草綾の小路の夜明かな
青蘿「青蘿発句集」

壁一重雨をへだてつ花あやめ
鬼貫「鬼貫句選」

あやめ生ひけり軒の鰯のされかうべ
芭蕉「江戸広小路」

片隅にあやめ咲きたる門田かな
正岡子規「子規全集」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

杜若(かきつばた) 仲夏

季語と歳時記

【子季語】
燕子花、かほよ花、白かきつばた
【関連季語】
あやめ、花菖蒲、菖蒲
【解説】
尾形光琳の「燕子花図屏風」に描かれている水辺の花。剣のような葉と紫の花で一目でこの花と分かる。「燕子花」字は花の姿が燕の姿を思わせるところから。この花の汁を布にこすり付けて染料にしたことから「書付花」といわれ、それが転じて「かきつばた」となったとされる。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
吾のみやかく恋すらむかきつはたにつらふ妹はいかにかあるらむ よみ人しらず『万葉集』
唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ 在原業平『伊勢物語』 
【実証的見解】
アヤメ科の多年草。五~六月ごろ池や沼などの水辺に咲く。形はあやめを少し大きくした感じ。七十センチほどの直立した茎で葉は広剣状。花の色は、白または紫。他のアヤメ科の花同様、三枚の外花被片(外の花びら)は垂さがり、それよりも小さな内花被片(内の花びら)は直立する。かきつばたの特徴として、外の花びらの付け根から中央にかけて白っぽい筋が一本入る。  
【例句】
杜若語るも旅のひとつ哉
芭蕉「笈の小文」

杜若われに発句の思ひあり
芭蕉「千鳥掛」

有難きすがた拝まんかきつばた
芭蕉「泊船集」

杜若にたりやにたり水の影
芭蕉「続山の井」

朝々の葉の働きや燕子花
去来「俳諧古選」

宵々の雨に音なし杜若 
蕪村「蕪村句集」

実盛が草摺りゆかし杜若
長谷川櫂「初雁」

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若竹(わかたけ) 仲夏

季語と歳時記

【子季語】
今年竹、竹の若葉、竹の若緑
【解説】
初夏、地上に出た筍は、茶色の皮を脱いで新しい竹となる。ぐんぐん伸びてみずみずしい若葉を広げる。その年に生えたので今年竹ともいう。
【科学的見解】
身近な場所で一般的に見られる竹類は、マダケとモウソウチクである。マダケは七月ごろに、モウソウチクは四月ごろに地下茎から新芽(タケノコ)を出し、一ヶ月程度で親と同じ大きさとなる。その年に生長した若竹は、色合いは美しく、瑞々しい感がある。しかし、急速に生長したためか、材の繊維が成熟しておらず、竹材利用(竹細工等)には向かない。(藤吉正明記)
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
山がつのさかひになびく若竹のわかわかしくて世をや過ぎなん 藤原為家『夫木和歌抄』
【例句】
若竹や竹より出て青き事
北枝「草刈笛」

昼鐘や若竹そよぐ山づたひ
丈草「雪月華」

若竹や烟のいづる庫裏の窓
曲翠「類題発句集」

若竹やふしみの里の雨の色
闌更「半化坊発句集」

わか竹や村百軒の麦の音
召波「春泥発句集」

高きよりこの世へ影し今年竹
長谷川櫂「虚空」

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竹落葉(たけおちば) 初夏

季語と歳時記

takeotiba【子季語】
笹散る、竹の葉散る
【関連季語】
竹の秋
【解説】
竹の落葉。竹は若竹の伸びるころ、新しい葉を出し、黄ばんだ古い葉を落とす。これが「竹落葉」で、掃いても掃いてもきりがないほど降ってくる。落葉というと冬の季語であるが竹落葉は夏の季語となる。
【来歴】
『俳諧線車大成』(寛政11年、1799年)に所出。
【文学での言及】
時わかぬおのが枯葉は積もれども色も変らぬ庭のくれ竹 藤原家隆『夫木和歌抄』
【科学的見解】
竹は、一般的に茎の生長直後に竹の皮(葉鞘)が抜け落ちるグループの総称であり、代表的な種としてはマダケ、ハチク、モウソウチクなどの大型のものや、カンチク、クロチク、ホテイチクなどの中型のもの、オカメザサなど小型のものまで広く有している。竹は、農業・食・園芸用など様々な形で日本人の生活の中にいかされてきた有用な植物である。(藤吉正明記)
【例句】
落る葉やあやに月洩る竹の嵯峨
都貢「幣袋」

野の宮や笹のふる葉の落る音
来之「五車反古」

雨樋を叩きて吐かす竹落葉
長谷川櫂「果実」

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梧桐(あおぎり、あをぎり)三夏

季語と歳時記

【子季語】
青桐
【関連季語】
梧桐の実
【解説】
梧桐は、大きな葉だけでなく幹もすがすがしい緑色をしているので夏の季語とされる。幹が青く、葉が桐に似ているのでこの名がある。
【来歴】
『華実年浪草』(天命3年、1783年)に所出。
【科学的見解】
梧桐(アオギリ)は、アオギリ科アオギリ属の落葉高木。在来の植物であり、公園や街路に植えられるほか、日本の暖地に沿海地に自生する。高さは十五メートルくらいになる。幹は緑色、葉は大型の偏円形で先端がグローブ状に裂ける。六月から七月にかけて枝先に円錐花序を出し、淡黄色の小さな花を多数開花させる。(藤吉正明記)
【例句】
帰るは嬉し梧桐(ごどう)のいまだ青きうち
夏目漱石「漱石全集」

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合歓の花(ねむのはな) 晩夏

季語と歳時記

【子季語】
ねぶの花、ねむり木、花合歓、合昏、絨花樹
【関連季語】
合歓の実
【解説】
合歓は淡紅の刷毛のような美しい花を開く。夜になると葉を閉じて眠ったようになるので、この名がある。
【来歴】
『枝葉集』(正徳元年、1711年)に所出。
【文学での言及】
昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木の花君のみ見めや戯奴(わけ)さへに見よ 紀女郎『万葉集』
【科学的見解】
合歓の木(ネムノキ)は、マメ科の落葉高木で、高さ六~十メートル前後になる。日本在来の植物で、本州から沖縄にかけて分布する。葉は多数の小葉からなる二回偶数羽状複葉で羽片は七から十二対、小葉は十八から二十九対になる。夜になると小葉は閉じて垂れ下がり、他のマメ科の植物同様、就眠運動を行う。六月から七月にかけて、枝先に十数個の頭状花序を総状につけ、夕方、紅色の長い雄蕊が多数ある花が傘状に開花する。(藤吉正明記)
【例句】
象潟や雨に西施がねぶの花
芭蕉「奥の細道」

舟引の妻の唱歌や合歓の花
千那「猿蓑」

雨の日やまだきにくれてねむの花
蕪村「新吾子稿」

合歓咲くや河水を汲む桔槹(はねつるべ)
河東碧梧桐「三千里」

合歓咲くや此処より飛騨の馬糞道
前田普羅「普羅句集」

合歓今はねむり合すや熱の中
石田波郷「病鴈」

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楝の花(おうちのはな、あふちのはな) 仲夏

季語と歳時記

【子季語】花樗、樗の花、栴檀の花、雲見草
【関連季語】
栴檀の実
【解説】
楝は、若葉が繁ったあと淡紫色の小さな花を房状に咲かせる。遠くから仰ぎ見ても美しい花である。「アフチ」は栴檀の古名で、万葉集にもその名を見ることができる。「センダン」は千の珠という意味で、実をびっしりとつけるところからそういわれる。実の核は数珠に利用される。
【文学での言及】
樗咲く北野の芝生五月来ぬ見ざりし人の形見ばかりに 藤原定家『夫木和歌抄』
【科学的見解】
センダンは、センダン科センダン属の落葉高木。四国、九州、沖縄などの暖地の海岸部に自生しており、本州では庭や公園などに植えらている。大きいもので高さ三十メートルにもなる。葉は羽状複葉、小葉は卵形で五センチくらい。五月から六月にかけて、集散花序を出し、淡紫色の小花を多数咲かせる。(藤吉正明記)
【例句】
どむみりと樗や雨の花曇り
芭蕉「芭蕉翁行状記」

樗咲里にかくるゝ公家は誰 
尚白「忘梅」

玉桙の道の月夜や花あふち 
来山「続今宮草」

鮓うりのかざしにとれや花樗
暁台「暮雨巷句集」

むら雨や見かけて遠き花樗 
白雄「白雄句集」

夜芝居の小屋をかけたる樗かな
正岡子規「子規句集」

栴檀の花そよぎつつ水の空
長谷川櫂「初雁」

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朴の花(ほおのはな、ほほのはな) 初夏

季語と歳時記

【子季語】
厚朴の花、朴散華
【解説】
初夏、高い朴に咲く九弁の白い大きな花。芳香がある。大きな葉に乗るように咲くので、下から見上げただけでは見えないことが多い。卯の花などとともに、夏の訪れを象徴する花である。
【来歴】
『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。
【科学的見解】
朴の木(ホオノキ)は、モクレン科モクレン属の落葉高木。日本在来の植物で山地に広く自生する。高さは三十メートルにもなる。楕円形の大きな葉は、枝先に集まって互生する。五月から六月にかけて、枝先に白い芳香のある九弁の花を咲かせる。材は良質であり、漆器や家具材として活用されている。また、大きな葉は、昔から食べ物を盛るのに用いられ、現在では信州の朴葉味噌などの料理に使用されている。(藤吉正明記)
【例句】
食つつむ厚朴にも花の匂ひかな
闌更「霜のうつり」

示寂すといふ言葉あり朴散華
高浜虚子「六百句」

一瓣散り一瓣朴のほぐれゆく
河東碧梧桐「新傾向句集」

朴散華すなはち知れぬ行方かな 
川端茅舎「定本川端茅舎句集」

朴ひらき大和に花を一つ足す
森澄雄「游方」

里ぢゆうの水田みゆるや朴の花
長谷川櫂「蓬莱」

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桐の花(きりのはな) 初夏

季語と歳時記

【子季語】
花桐
【関連季語】
桐一葉
【解説】
初夏、淡い紫色の花を鈴なりに咲かせる。葉が出る前に咲くので遠くからでも目立つ、清楚な感じの花で、畑や庭、山地などに見られる。夏の訪れを感じさせる花である。
【来歴】
『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。
【科学的見解】
桐(キリ)は、ノウゼンカズラ科キリ属の中国原産の落葉高木。畑などで栽培されるほか山地にも自生する。高さは十五メートルくらいになり、卵形の大きな葉は対生する。五月ころ枝先に円錐花序をのばし、紫色の筒状の花を多数つける。花が衰え始めると、長い柄を持った葉が出てくる。キリの材は、狂いが少なく、比重が軽いため、箪笥、下駄、琴材などに利用される。(藤吉正明記)
【例句】
殿つくりならびてゆゝし桐のはな
其角「五元集」

もろとりのをとなひ低し桐の花
路通「一字幽闌集」

簷(のき)に啼く巣立鴉や桐の花
也有「垤集」

桐の花寺は桂の町はづれ
暁台「暁台句集」

酒桶の背中ほす日や桐の花
蓼太「蓼太句集初編」

花桐や二条わたりの夕月夜
内藤鳴雪「新俳句」

花桐やなほ古りまされ妙義町
渡辺水巴「水巴句集」

花桐や重ね伏せたる一位笠
前田普羅「普羅句集」 

どこからも見えて水田の桐の花
長谷川櫂「果実」

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茨の花(いばらのはな) 初夏

季語と歳時記

【子季語】
花茨、野薔薇、茨、うばら、野茨
【関連季語】
茨の実
【解説】
野ばらの花のこと。初夏、香りのある白い五弁の小花を多数咲かせる。同じバラ科でも、華やかな薔薇とちがい、清楚で新鮮な野趣がある。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【科学的見解】
茨の木は、バラ科バラ属の複数の種を示す言葉であり、代表的な種としてはノイバラ、ヤブイバラ、フジイバラ、テリハノイバラなどが存在する。普通に存在する種はノイバラであり、日本各地の低地や山地に自生し、枝は蔓状に伸びて高さは二メートルくらいになる。枝に棘があり三、四センチほどの卵形の葉は互生する。五月から六月にかけて、枝先の円錐花序に白い芳香のある五弁の花を多数つける。花は直径二センチくらい。(藤吉正明記)
【例句】
花いばら古郷の路に似たるかな
蕪村「五車反古」

愁ひつつ岡にのぼれば花いばら
蕪村「蕪村句集」

道のべの低きにほひや茨の花
召波「春泥発句集」

古郷やよるもさはるも茨の花
一茶「七番日記」

花茨こみちは草に埋もれけり
長谷川櫂「富士」

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