【子季語】
年越蕎麦、つごもり蕎麦
【解説】
大晦日の夜に食べる蕎麦。商家では大晦日の夜は明け方まで忙しかったので腹ごしらえのために蕎麦を食べた。今では、長寿につながる縁起のよいものとして食べられる。
dvx22327
晩秋(ばんしゅう、ばんしう)晩秋
土用波(どようなみ)晩夏
【解説】
立秋前の十八日間を夏の土用とするが、その頃の太平洋側は高波が押し寄せ手くることが多い。台風シーズンの秋も近い頃の波である。
【例句】
死にしふりして蟹あわれ土用浪
原石鼎「花影」
鳥追うて遊びし智恵子土用波
長谷川櫂「果実」
晩冬(ばんとう)晩冬
【子季語】
季冬、下冬、末冬、末の冬
【解説】
陰暦十二月の異名。冬の最後の月のこと。小寒(一月五日頃)から立春の前日(二月三日頃)の一ヶ月。厳しい冬の果ての風情と、かすかな春の到来を感受できる頃。
鼬(いたち)三冬
【解説】
ネコ目イタチ科の哺乳類の総称。雄は体調三十センチ雌はこれより小さい。赤褐色で夜、小動物を捕食する。
【科学的見解】
イタチは、ネコ目(食肉目)イタチ科の哺乳類で、自然分布としては東北から九州までの範囲とされているが、人の影響により北海道や沖縄などに放された個体が定着している。本種は、ニホンイタチと呼ばれることもある。
生息環境としては、人里近くの低地から山地までの河川や水田などの水辺を好んで生活している。本種は、基本的に夜行性であるが、昼間に活動することも知られており、水辺の小型動物や木の実・果実などを採食する。糞は、直径六ミリメートル、長さ三センチメートルほどの細長い形をしており、河川の石の上や水田付近のコンクリート上で見られることが多い。
本種の近縁亜種としては、コイタチが鹿児島県屋久島のみに生息している。また、本種とは別種のチョウセンイタチ(シベリアイタチ)が大陸を中心に生息しており、日本国内での自然分布は長崎県対馬のみとされている。しかしながら、チョウセンイタチが人為的な影響で移入され、近年西日本全域に分布を拡大している。同じく自然分布以外から人為的に導入された外来種としては、ミンクが知られており、北海道や東北数県で野生化が報告されている。その他、本種と近縁な在来種としては、東日本の山地や高山に生息するオコジョやイイズナが存在する。(藤吉正明記)
夏蛙(なつがえる、なつがへる)三夏
【子季語】
夏の蛙
【解説】
夕立の前などによく通る声で鳴く体長三、四センチの若草色の蛙。周りの色によってからだの色を変える。
羚羊(かもしか)三冬
【子季語】
かもしし、氈鹿、青鹿、寒立
【解説】
日本全土の山岳に棲息する体長一メートルほどの鹿。暗褐色の毛を持つ。厳冬期同じ時刻,同じ場所に現れじっとしているようなこともある。
【科学的見解】
カモシカ(ニホンカモシカ)は、ウシ目(偶蹄目)ウシ科の哺乳類で、九州と四国の一部の地域個体群に加えて東北から近畿までの地域を中心に低山から亜高山帯の森林に生息している。しかしながら、九州の個体群は近年確認されていないことから絶滅した可能性が高いとされている。北海道と沖縄には生息していない。
生息環境としては、ミズナラやブナなどの落葉広葉樹林とシラビソやコメツガなどの針葉樹林、またはそれらの混交林を好み、草や木の葉及びササ類の葉を採食している。交尾期は秋であり、翌年初夏に出産する。通常は一仔を出産し、約一年間母親と共に生活する。昼夜問わず活動する。糞は、シカと同様の長さ一センチメートルほどの俵型をしているが、まき散らすことなく決まったところにため糞をする。眼の下にある眼下腺から匂いのある分泌液を出し、木などに擦り付けてマーキング(縄張り主張)を行う。本種は、国の天然記念物に指定されている。(藤吉正明記)
皸(あかぎれ)晩冬
【子季語】
あかがり、皸薬
【解説】
寒さにより血行が悪くなった手足に乾燥が加わり、皮膚の表面に亀裂が生じ裂けた状態。血が出ることもある。
【例句】
皸やほそ谷川は石高み
才麿「後しゐの葉」
あかがりをいざ灸せばや苅干火
惟然「猿舞師」
皸をかくして母の夜伽かな
一茶「文政版句集」
大いなる皸の手の尊しや
長谷川櫂「初雁」



