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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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赤楊の花(はんのきのはな) 初春

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【子季語】
はりの木の花/榛の花
【解説】
ハンノキはカバノキ科ハンノキ属の落葉高木。日本各地の山野に自生する。湿地に適するので畦などに植えて稲架木として利用したりする。二月から三月に開花する。褐色の雄花は尾状にたれさがり、褐色で球状の雌花は雄花の花序の下の葉腋に三、四個ほどつく。
【例句】
はんの木のそれでも花のつもりかな
一茶「七番日記」

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榧の花(かやのはな) 晩春

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【解説】
榧はイチイ科カヤ属の常緑高木。本州、四国、九州の山地に自生し、高さは三十メートルにもなる。四月ころ開花する。雄花は黄色の楕円形、雌花は緑色で目立たない。
【科学的見解】
榧(カヤ)は、山地や丘陵地に自生する野生植物であるが、人里周辺、特に神社などによく植栽されている。葉は線形で短く、先端部が尖っているため、触ると痛い。近縁の変種として、チャボガヤやヒダリマキガヤなどが存在する。(藤吉正明記)
【例句】
月洩るや榧の花散る土手の上
大江丸「発句題叢」

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山梨の花(やまなしのはな) 晩春

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【子季語】
棠梨の花/聖霊梨の花/鹿梨の花
【解説】
山梨はバラ科ナシ属の落葉高木で日本各地の山地に自生する。四月から五月にかけて、枝先に花径四センチほどの白い五弁の花を散房状につける。秋に直径七センチほどの実をつけるが、果肉は固く、生食には適さない。
【科学的見解】
ヤマナシは、栽培されているナシの野生種であり、バラ科の落葉高木である。近縁種としては、アオナシ、マメナシ、ミチノクナシ等が存在し、それぞれ果実の大きさが異なる。ヤマナシの花は、五枚の白色花弁を有し、短い枝に複数の花をつけた散形花序となる。花は、雄しべと雌しべを有する両性花となり、花冠内に複数の雄しべが存在する。(藤吉正明記)

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令法(りょうぶ/りやうぶ)仲春

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はたつもり/令法摘む/令法飯/令法茶
【解説】
リョウブ科リョウブ属の落葉高木。日本各地の山地に自生し、高さは十メートルくらいになる。葉は枝先で互生し、七月から八月にかけて、白い小さな花を枝先にたくさんつける。春先に若布を摘んで食用とする。
【科学的見解】
リョウブは、北海道から九州までの山地に分布している。樹皮は薄くはがれ、サルスベリのような滑らかさがある。また、花の香りも良いため、観賞価値が高く、近年庭木や公園木として利用されている。(藤吉正明記)

令法つみかかる山路にあき俵
鴻水「新類題発句集」

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春林(しゅんりん) 三春

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【子季語】
春の樹/春の森
【解説】
芽吹き始めた林や森のこと。柔らかい緑に覆われた広葉樹林はことのほか美しい。鳥がさかんに鳴き、地上では獣や虫が活発に動き始める。
【科学的見解】
身近な環境にある広葉樹林は、一般的に雑木林と呼ばれている。その雑木林には、様々な樹種が混在しており、それら樹種ごとに新緑の色が黄、黄緑、赤緑、緑などと異なるため、色彩鮮やかな森となる。新緑の色が異なる原因としては、緑色の色素のもとはクロロフィルと呼ばれる光合成色素であるが、その色素の作られる速度が樹種によって異なるため、それ以外の黄色や赤色の色素が目立ち、色彩豊かな新緑となる。また、新緑の葉には、昆虫が群がり、それらを鳥たちが食べ子育ても行うために、活気に溢れた森となる。(藤吉正明記)

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芽立ち(めだち) 仲春

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【子季語】
芽吹く/芽組む
【解説】
春になって木々の芽があらわになること。膨らんでくる木の芽は美しさもさることながら、生命力の象徴でもあり、見るものの心に躍動感を与えてくれる。

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三宝柑(さんぽうかん) 三春

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【子季語】
達磨蜜柑/達磨蜜柑/蓬莱柑
【解説】
ミカン科ミカン俗の常緑中木。和歌山県特産で、デコポンに似て蔕の部分が膨らんでいる。四月ころに収穫する。三方にのせて紀州の殿様に献上したことからこの名を持つ。
【科学的見解】
サンボウカンは、柑橘類の一種で、果柄部分が突起するのが特徴で、一部ユズの性質を持つ蜜柑である。果肉は、柔軟多汁で、果皮はマーマレードジャムの材料にもされる。(藤吉正明記)

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八朔柑(はっさくかん)三春

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【解説】
ミカン科ミカン俗の常緑低木。広島原産で日本の暖地に広く栽培される。五月ころ白い花を咲かせ、冬から春にかけて収穫される。果汁が少ないが、酸味は弱い。生食のほか、ジュースなどに利用される。
【科学的見解】
八朔蜜柑は、ブンタン類と他の柑橘類との交雑種とされており、広島県の因島で発見された。夏蜜柑と外見が似ているが、夏蜜柑より酸味・苦味ともに少ない。枝変わりの品種として、果肉が赤みがかった紅八朔などが知られている。(藤吉正明記)

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ネーブル 三春

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【子季語】
臍蜜柑/甘橙
【解説】
ミカン科ミカン俗の常緑低木。ブラジルで発生した蜜柑の変種。六月ころ乳白色の花をつけ、冬から春にかけて収穫される。生食のほか、ジュースなどに利用される。
【科学的見解】
ネーブルは、オレンジ類の柑橘で、果頂部に小さな果実を伴った臍があることから、この名が付けられた。日本では、枝変わりなどの特性をうまく利用し、吉田、森田、清家ネーブルなどが登録されている。(藤吉正明記)

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伊予柑(いよかん) 三春

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【子季語】
伊予蜜柑
【解説】
カン科ミカン俗の常緑低木。山口県原産でおもに愛媛県で栽培されている。五月ころ白い花を咲かせ、翌年の二月から三月頃に真が熟す。
【科学的見解】
伊予蜜柑は、ミカン類とオレンジ類、両者の性質を持つ柑橘類である。作出された当初は、穴門蜜柑と呼ばれていたが、愛媛松山を中心に生産量が増えていったため、愛媛特産の蜜柑:伊予蜜柑となったそうである。柑橘類全般に言えることであるが、良質の蜜柑栽培は、海岸に近い暖地の傾斜地が適している。そのため、そのような条件が整っている愛媛県、鹿児島県、広島県、静岡県などが蜜柑類の主な生産地になっている。(藤吉正明記)

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