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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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男郎花(おとこえし/をとこへし) 初秋

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otokoesi 【子季語】
をとこめし/荼のはな(おおどちのはな)/敗醤
【解説】
オミナエシ科の多年草。女郎花に良く似るが花が白く全体にやや大きい。花期は八月から十月で全国の山野に自生。花瓶に生けておくと醤油の腐ったような匂いがしてくることから、別名は敗醤(はいしょう)という。
【科学的見解】
男郎花(オトコエシ)は、北海道から鹿児島奄美大島までの山野にふつうに自生する多年草である。種子繁殖も行うが、株元から走出枝を伸ばし、広がって繁殖する。(藤吉正明記)

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釣鐘人参(つりがねにんじん) 初秋

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【子季語】
ととき/沙参(しゃじん)
【解説】
キキョウ科の多年草。千島列島から全国の山地、高原などに生える。高さは一メートルくらいで全体に毛がある。葉は卵形で三枚から六枚が輪生する。夏から秋にかけ淡紫色の釣鐘の形をした花を下向きにつける。春の若芽は「トトキ」といって珍重される。
【科学的見解】
ツリガネニンジンは、北海道から九州の山野に普通に見られる多年草である。小葉は、輪生し、釣鐘型の薄紫色の花が印象的な植物である。本種は、変種が多く、花冠がつぼ型になるサイヨウシャジン、高山域に生育するハクサンシャジン、岩場を生育地とするオトメシャジンなどが知られている。(藤吉正明記)

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小水葱の花(こなぎのはな) 仲秋

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【子季語】
子葱の花/花こなぎ/細水葱の花
【解説】
ミズアオイ科の一年草。名の由来は小形のナギ(ミズアオイ)で、水田においては根強い雑草として嫌われる。二センチくらいの紫色の花は自花受粉し、葉よりも花茎が低い。東南アジア原産で稲作に伴って渡来した帰化植物。水路などに大量発生することもある。
【科学的見解】
コナギは、ミズアオイ科の一年草で、本州から沖縄までの水田付近の湿地に生育している。葉は光沢があり、心形から長楕円形をしている。花は、六枚の紫色の花弁を持ち、葉柄の付け根に複数つける。本種は、水田内の湿り気のある環境に最も適応した種である。近縁種としては、同じ属にミズアオイが存在するが、ミズアオイは近年多くの都道府県において激減している絶滅危惧種であるため、ほとんど見かけることはない。(藤吉正明記)
【例句】
なまぐさし小葱が上の鮠の腸
芭蕉「笈日記」

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沢桔梗(さわぎきょう/さはぎきやう) 初秋

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【子季語】
ちょうじな
【解説】
キキョウ科の多年草。全国の山野の湿った所や湿原に生え、群生することもある。高さは一メートルくらいにもなり、茎は中空。葉は互生して笹形。花期は八月から九月頃で濃紫の唇形花を房状につける。
【科学的見解】
サワギキョウは、北海道から九州の湿地に生育する多年草である。キキョウに似た紫の花を咲かせ、水辺に生えることからその名がついた。近年、全国的に個体数が減少している。特に、平野の湿地では、その姿をほとんど見られなくなった。(藤吉正明記)
【例句】
村雨や見る見る沈む沢桔梗
幾葉「卯辰集」

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鍾馗蘭(しょうきらん) 仲秋

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【子季語】
鍾馗水仙
【解説】
全国の深山の樹林下、笹原などの柔らかい土を好むラン科の多年草。名の由来は花の形を烏帽子をかぶった鍾馗の姿に見立てたもの。花茎の鱗片状の葉はほとんど目立たない。七月頃淡紅色の美しい花をつけるが、緑葉をもたない寄生ラン。
【科学的見解】
ショウキランは、北海道西南部から九州・屋久島に分布するラン科植物である。本種は、土壌中に生息する菌類と菌根と呼ばれる共生体を形成し、養分の全てをそれらに依存して生きている。種子繁殖のため、開花の時期のみ地上に姿を現す。同属の近縁種としては、全体黄褐色になるキバナノショウキランが知られている。(藤吉正明記)

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狐の剃(きつねのかみそり)初秋

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kitunenokamisori【解説】
日本各地の山地に自生するヒガンバナ科の多年草。春先、水仙に似た葉を出すが夏になると葉は枯れる。花期は八、九月ころで百合に似たオレンジ色の花は目立つ。名の由来は、花の色と狐の毛の色とが似ているため、葉がカミソリに似ているためなど諸説ある。有毒植物。
【科学的見解】
キツネノカミソリは、ヒガンバナ科の多年草で、本州から九州までの山野に生育する。近縁のヒガンバナ(別名:マンジュシャゲ)やショウキラン(別名:ショウキズイセン)と同じように、開花後の秋から春にかけて葉を展開し、夏には葉を枯らし夏眠する特徴がある。ヒガンバナやナツズイセンなどは種子を形成しないことで有名であるが、近縁の本種は球形の大きな種子を形成する。(藤吉正明記)

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富士薊(ふじあざみ) 初秋

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【子季語】
富士牛蒡/須走牛蒡/薊牛蒡
【解説】
キク科の多年草。日本のアザミの中で最も大きく、富士山周辺に多い。長さ七十センチ近くの羽状の大きな葉には棘があり、根もとにあつまる。八月から十月にかけ、六センチから十センチの紅紫色の花をつける。
【科学的見解】
富士薊(フジアザミ)は、関東及び中部地方に分布する、大型のアザミ類である。花(頭花)は、下向きに咲くのが特徴である。根系は、ゴボウと同じ仲間であるため、直根性の太い根を形成し、食用となる。(藤吉正明記)

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山薊(やまあざみ) 仲秋

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【子季語】
大薊/鬼薊/秋薊/真薊
【解説】
西日本、四国、九州の山野に生える多年草。高さは二メートルにもなる。太い角ばった茎は直立し二十センチから三十センチの棘の多い葉をびっしりとつける。八月から十月茎に直接花をつける。頭花は小形の穂状でアザミに似る。
【科学的見解】
狭義の意味では、ヤマアザミという種が存在している。本種は、キク科の多年草で、四国と九州の山地に生育する。別名は、ツクシヤマアザミと呼ばれている。頭花は、筒状花のみで構成されており、紅紫色が印象的である。日本にはアザミ類が四十種以上自生しており、そのうち山地に生育するものを広義の意味で山薊と呼ぶこともある。(藤吉正明記)

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麝香草(じゃこうそう/じやかうさう) 初秋

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jakousou【子季語】
鈴子香
【解説】
シソ科の多年草。山地の湿ったところや、沢沿いなどに自生。高さ二十から三十センチほどで葉、茎に細毛がある。花期は八、九月頃。花は淡い紅紫もしくは白色で唇形をしてをり、香気がある。茎や葉にも香りがあり、乾燥させたものは、薬用にまた香辛料にもちいる。
【科学的見解】
麝香草(ジャコウソウ)は、北海道から九州の山地の谷間に生育する多年草である。近縁種としては、タニジャコウソウが存在し、ジャコウソウの花柄が短いのに対して、タニジャコウソウは三から四センチメートルと著しく長い。(藤吉正明記)

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鵯花(ひよどりばな) 初秋

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hiyodoribana【子季語】
山蘭/みょうらん/沢ひよどり
【解説】
キク科の多年草。全国の山野に自生。高さ一メートルくらいで、花期は八月から十月フジバカマに似た白い花をつけるが、葉がフジバカマのように三裂しない。
【科学的見解】
ヒヨドリバナは、キク科の多年草で、北海道から九州までの山野や林縁に生育している。西日本には本種より小型の個体が存在しており、それと区別するため、オオヒヨドリバナと呼ばれている。小花の集まった頭花は、集散花序となる。近縁種としては、山地に生育するヨツバヒヨドリや海岸近くの低地に生育するヤマヒヨドリバナなどが存在する。(藤吉正明記)

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