【子季語】
葉薊
【解説】
キツネノゴマ科アカンサス属耐寒性宿根草。地中海原産で庭などに植えられる。アザミのような葉を持ち、六月から八月にかけて太い花径を伸ばし白い唇形花を下から順に咲かせる。丈夫で育てやすい植物である。
【科学的見解】
アカンサスは、アカンサス属の複数の種や園芸品種類の総称である。いずれも観賞用として庭先や公園などで栽培されている。生育特性としては、耐寒さ性があり、水はけの良い場所を好む。(藤吉正明記)
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ストケシア 仲夏
【子季語】
瑠璃菊
【解説】
キク科ストケシア属の多年草。アメリカ原産で観賞用に花壇や鉢に植えられる。草丈は五十センチくらい。五月から九月にかけてヤグルマギクを大きくしたような青紫色あざやかな花を咲かせる。花茎は七センチくらい。暑さや寒さに強く育てやすい花である。
【科学的見解】
北アメリカ原産のストケシアの標準和名は、ルリギクである。ルリギクは、キク科の多年草で、観賞用の草花として庭先や公園などで栽培されている。ストケシアという呼び名は、属名からきている。花は、紫色を帯びた青色、稀に白色の頭花を茎の先端に複数つける。(藤吉正明記)
フロックス 初夏
【子季語】
桔梗撫子
【解説】
ハナシノブ科フロックス属の一年草。アメリカ原産で観賞用に花壇や鉢に植えられる。草丈は二十センチくらい。四月から五月にかけて五弁の花が全体をおおうように咲く。花の色は、白、ピンク、紫、赤など。
【科学的見解】
フロックスは、ハナシノブ科クサキョウチクソウ属(Ph lox)植物の総称であり、属名のフロックスから名がとられている。フロックス属には、種としてキキョウナデシコやクサキョウチクトウ、ツルハナシノブ、シバザクラなどが含まれている。色鮮やかな園芸品種も作出されており、常緑性、落葉性、一年草、多年草と多様であり、近年花壇や公園、庭先などに盛んに植栽されている。(藤吉正明記)
袋撫子(ふくろなでしこ) 初夏
【解説】
ナデシコ科シレネ属の半耐寒性一年草です。原産地は地中海沿岸。全体が毛に覆われている。葉は長楕円形で対生する。五月から六月にかけて切れ込みのあるピンクや赤の五弁の花を咲かせる。萼筒は膨らみがあることからこの名がある。
【科学的見解】
フクロナデシコの標準和名は、サクラマンテマであり、別名としてオオマンテマとも呼ばれている。南ヨーロッパ原産のサクラマンテマは、ナデシコ科の一年草または越年草で、明治以降に導入され、庭園や花壇などに植栽されている。本種も様々な園芸品種が作出されている。(藤吉正明記)
虫取撫子(むしとりなでしこ) 仲夏
【子季語】
蠅取撫子/小町草
【解説】
ナデシコ科フシグロ属の一年草または越年草。ヨーロッパ原産で河原や野原などに生育する。丈は三十センチから八十センチくらい。葉は対生し、五月から七月にかけて集散花序に紅色の小さな花をたくさんつける
【科学的見解】
虫取撫子(ムシトリナデシコ)は、観賞用に栽培されていたものが逸出し、近年では河川の荒地や住宅地などで野生化している。花がつく茎付近に粘り気があり、虫取りの名が付けられているが、食虫植物の仲間ではない。(藤吉正明記)
紅黄草(こうおうそう/こうわうさう) 晩夏
【子季語】
マリーゴールド/万寿菊/千寿菊
【解説】
マリーゴールドの名で知られている、キク科コウオウソウ属の一年草。五月から十月にかけて黄色や橙色の二センチほどの花をつける。観賞用に花壇などに植えられるが、根に線虫の防除効果があるので作物の周りなどにも植えられる。
【科学的見解】
メキシコ原産のコウオウソウは、黄色と紅色の花を持つことからその名が付けられているが、一般的にはフレンチマリーゴールドやマリーゴールドとして知られている植物である。別名として、クジャクソウとも呼ばれている。本種は、キク科の一年草で、栽培しやすいことから花壇や庭先などに広く植栽されている。花は、舌状花と筒状花を合わせた頭花となり、花弁全体は黄色であるが、舌状花の付け根が紅色になるところが特徴である。(藤吉正明記)
松葉菊(まつばぎく)三夏
麦藁菊(むぎわらぎく) 晩夏
【解説】
麦稈菊キク科ムギワラギク属でオーストラリア原産の多年草。草丈は一メートルくらい。七月から八月にかけて花径は五センチほどの赤やピンク、黄、白などのヒナギクに似た花を咲かせる。
【科学的見解】
ムギワラギクは、オーストラリア原産のキク科一年草で、観賞目的に花壇や庭先等で栽培される。花は、筒状花が集合した頭花を形成し、舌状花がないため大きな花弁はなく、その周りの総苞片が花弁のように筒状花を取り囲む。総苞片の色は複数存在し、開花している状態の時から乾質であるため、ドライフラワーのように思える。(藤吉正明記)
錦鶏菊(きんけいぎく) 晩夏
【解説】
キク科ハルシャギク属の一年草。北アメリカ原産。明治時代に渡来した。日本各地の空き地や道端、河川敷などに群生する。草丈は一メートル以上にもなり、五月から八月にかけて黄色のあざやかな花を咲かせる。草全体が菊芋や黄花コスモスに似ている。
【科学的見解】
北米原産のキンケイギクは、キク科の一年草もしくは越年草で、観賞用として花壇や庭先などで栽培されている。花は、舌状花と筒状花を合わせた頭花となり、舌状花は全体黄色であるが、付け根が赤みを帯びる。近縁種としては、同じキク科キンケイギク属のオオキンケイギクやハルシャギクなどが知られている。オオキンケイギクは、繁殖力が高く在来種の生育地を奪ってしまうため、環境省の特定外来植物に指定され、栽培などが禁じられている。(藤吉正明記)
【参考意見】
園芸的に「キンケイギク」と呼ばれる植物には、本物のキンケイギクの他に、オオキンケイギクとホソバハルシャギクがある。本物のキンケイギクは江戸時代末期に日本に入り、昭和30年頃まで普及していたが、花が貧弱で一・二年草であるため次第に姿を消し、現在ではほとんど見られなくなった。明治期に入ったオオキンケイギクは多年草で群生すると美しく、広く栽培されてきたが、特定外来生物に指定され現在は流通していない。ホソバハルシャギクは、近年改良された園芸品種が流通しているが、和名が実体にそぐわずほとんど認知されてないため、園芸界から姿を消したキンケイギクの名前が代わりに使われるようになったものと推察される。(河野隆行)


