【子季語】
加羅佐手、からさで祭
【解説】
陰暦十月に出雲にお迎えした神々を諸国に送り出す神事。出雲大 社では陰暦十月十七日の夕方に行う。佐太神社では陽暦十一月二 十五日夜に、舟に見立てた割枝に神々を乗せて送り出す。
dvx22327
龍の玉(りゅうのたま)三冬
【子季語】
蛇の髯の実、竜の髯の実
【解説】
龍の髯の実である。山野の林中に自生し、庭園にも植えられる。 初夏のころ淡紫色の小花を咲かせ、晩秋から冬にかけてえんどう 豆くらいの大きさの実をつける。熟すると美しい碧色となる。
【科学的見解】
ジャノヒゲは、北海道西南部から琉球に分布するユリ科の多年草である。耐陰性があるため、森林内の暗い林床に生育し、また住宅地や庭園などの陰になるところによく植栽されている。冬になると株元につくコバルト色の美しい果実が印象的である。果実の皮を剥ぐと、中には半透明な丸い種子が入っており、硬い床に落とすとよく弾む。近縁種としては、葉が長いナガバジャノヒゲや葉の幅が広いオオバジャノヒゲが存在する。(藤吉正明記)
【例句】
龍の玉深く蔵すといふことを
高浜虚子「五百五十句」
龍の玉升さんとよぶ虚子のこゑ
飯田龍太「山の影」
波羅蜜のこゑこぼれてや龍の玉
長谷川櫂「初雁」
蛇穴を出づ(へびあなをいづ)仲春
木守(きまもり)三冬
寒垢離(かんごり)晩冬
【子季語】
寒行
【解説】
寒の三十日間、心身を清めて神仏に仕えること。冷水を浴びたり 滝に打たれたりして経を唱える。
【例句】
寒垢離の耳の水ふる勢かな
太祇「太祇句選」
寒垢離に尻背けたり繋ぎ馬
蕪村「落日庵句集」
寒垢離の風に乗り行く歩みかな
召波「春泥発句集」
寒垢離にせなかの竜の披露かな
一茶「八番日記」
春大根(はるだいこん)仲春
【子季語】
二年子大根、春福大根、春若大根、苗代大根、秦野大根
【解説】
普通、大根は初秋に種子を蒔いて、冬収穫するが、晩秋に種子を 蒔き、翌年の四~六月に収穫するものもある。これを春大根とい う。
手焙(てあぶり)三冬

【子季語】
手炉
【解説】
手をあたためるための小さな火鉢。陶製、金属製のものがある。 穴のあいた蓋や籐のかごをかぶせたもの、蔓や紐をつけて持ち歩 けるようにしたものもある。
【例句】
誰が子ぞ手炉の蒲団の唐にしき
蝶夢「草根発句集」
蝦蛄(しゃこ)三夏
【解説】
シャコ科の甲殻類で蝦に似ている。その姿は扁平で色は青灰色、 脚に棘があり醜い。日本各地の沿岸の海底泥深くに生息している。 六、七月が産卵期で、そのころが一番美味。
【例句】
蝦蛄といふ禍々しくて旨きもの
長谷川櫂「松島」
蛞蝓(なめくじ、なめくぢ)三夏
綿入(わたいれ)三冬
【子季語】
布子、小袖、おひえ
【解説】
保温のため、表地と裏地の間に綿を入れた着物をいう。木綿の綿を 入れた着物を布子、絹の綿を入れた着物を小袖という。上着に綿を 入れたのは比較的新しく、その土地の気候や生活様式などの違いに より、形も様々である。
【例句】
木がらしに吹きぬき布子一つかな
一茶「九番日記」



