【子季語】
棠梨の花/聖霊梨の花/鹿梨の花
【解説】
山梨はバラ科ナシ属の落葉高木で日本各地の山地に自生する。四月から五月にかけて、枝先に花径四センチほどの白い五弁の花を散房状につける。秋に直径七センチほどの実をつけるが、果肉は固く、生食には適さない。
【科学的見解】
ヤマナシは、栽培されているナシの野生種であり、バラ科の落葉高木である。近縁種としては、アオナシ、マメナシ、ミチノクナシ等が存在し、それぞれ果実の大きさが異なる。ヤマナシの花は、五枚の白色花弁を有し、短い枝に複数の花をつけた散形花序となる。花は、雄しべと雌しべを有する両性花となり、花冠内に複数の雄しべが存在する。(藤吉正明記)
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令法(りょうぶ/りやうぶ)仲春
春林(しゅんりん) 三春
【子季語】
春の樹/春の森
【解説】
芽吹き始めた林や森のこと。柔らかい緑に覆われた広葉樹林はことのほか美しい。鳥がさかんに鳴き、地上では獣や虫が活発に動き始める。
【科学的見解】
身近な環境にある広葉樹林は、一般的に雑木林と呼ばれている。その雑木林には、様々な樹種が混在しており、それら樹種ごとに新緑の色が黄、黄緑、赤緑、緑などと異なるため、色彩鮮やかな森となる。新緑の色が異なる原因としては、緑色の色素のもとはクロロフィルと呼ばれる光合成色素であるが、その色素の作られる速度が樹種によって異なるため、それ以外の黄色や赤色の色素が目立ち、色彩豊かな新緑となる。また、新緑の葉には、昆虫が群がり、それらを鳥たちが食べ子育ても行うために、活気に溢れた森となる。(藤吉正明記)
芽立ち(めだち) 仲春
【子季語】
芽吹く/芽組む
【解説】
春になって木々の芽があらわになること。膨らんでくる木の芽は美しさもさることながら、生命力の象徴でもあり、見るものの心に躍動感を与えてくれる。
三宝柑(さんぽうかん) 三春
【子季語】
達磨蜜柑/達磨蜜柑/蓬莱柑
【解説】
ミカン科ミカン俗の常緑中木。和歌山県特産で、デコポンに似て蔕の部分が膨らんでいる。四月ころに収穫する。三方にのせて紀州の殿様に献上したことからこの名を持つ。
【科学的見解】
サンボウカンは、柑橘類の一種で、果柄部分が突起するのが特徴で、一部ユズの性質を持つ蜜柑である。果肉は、柔軟多汁で、果皮はマーマレードジャムの材料にもされる。(藤吉正明記)
八朔柑(はっさくかん)三春
【解説】
ミカン科ミカン俗の常緑低木。広島原産で日本の暖地に広く栽培される。五月ころ白い花を咲かせ、冬から春にかけて収穫される。果汁が少ないが、酸味は弱い。生食のほか、ジュースなどに利用される。
【科学的見解】
八朔蜜柑は、ブンタン類と他の柑橘類との交雑種とされており、広島県の因島で発見された。夏蜜柑と外見が似ているが、夏蜜柑より酸味・苦味ともに少ない。枝変わりの品種として、果肉が赤みがかった紅八朔などが知られている。(藤吉正明記)
ミモザ(みもざ) 初春
初桜(はつざくら) 仲春
盆梅(ぼんばい) 初春
【子季語】
鉢の梅
【解説】
盆栽の梅のこと。平安時代には、貴族や一部の僧侶などの趣味であったが、江戸時代末期には庶民にも広まった。樹齢四百年を越える老木などもある。
錦草(にしきそう/にしきさう) 初秋
【子季語】
地錦/乳草/いちぐさ
【解説】
トウダイグサ科の一年草、本州から九州に広く分布。道端、荒地、畑などどこにでも生育する。地面を這って広がり茎は細く赤味を帯びる。コニシキソウとは葉が長楕円形で斑点をもたないことで区別される。六月から九月に、葉の脇に淡い赤紫の杯状花をつける。茎を傷付けると白色の液を出す。秋になると紅葉する。
【科学的見解】
ニシキソウは、本州から九州及び東アジアからヨーロッパの温帯に広く分布するトウダイグサ科の一年草である。似た種としては、葉に斑紋が入るコニシキソウや茎が立ち上がるオオニシキソウなどが存在する。両種ともに外来植物である。(藤吉正明記)
横たわす柄杓の露や錦草
惟然「己が光」



