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季語と歳時記

きごさい歳時記

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初音売(はつねうり)新年

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【子季語】
初音笛
【解説】
元日に竹で作った鶯笛という玩具の笛を吹きながら、売り歩くこと。いかにも春の訪れを思わせる風物。
【例句】
水谺深き夜明けの初音売
臼田亜浪「黎明」

菊日和(きくびより)仲秋

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【解説】
菊の花が盛りの頃、よく晴れて、菊の香がしみ通るように澄んだ秋の日をいう。
【例句】山辺の小道は野菊日和かな
長谷川櫂「蓬莱」

菊日和いろのさめたる小風呂敷
長谷川櫂「古志」

硯洗(すずりあらい、すずりあらひ)初秋

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【子季語】
硯洗ふ、机洗ふ
【解説】
七夕の前後、ふだん使う硯や机を洗い清めること。七夕の朝は稲や芋の葉の露を集めて墨をすり、七夕竹に吊るす色紙や短冊を書いた。京都北野神社には御手洗祭があり、梶の葉を添えて硯を神前に供えた。
【例句】
おもへただ硯洗ひの後の恥
園女「住吉物語」

硯の上水迸れ思ひごと
石田波郷「風切」

枸杞の実(くこのみ)晩秋

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kuko【子季語】
枸杞子、枸杞酒
【解説】
ナス科クコ属の落葉小低木。夏から秋にかけ淡紫の小花をつけ、その実は十月頃赤く熟して人目をひく。果実を採り枸杞酒を作る。
【科学的見解】
クコは、ナス科の落葉低木で、北海道から沖縄までの山野の河川や空き地、林縁などに普通に生育する。花は紅紫色をしており、開花後色鮮やかな紅色の果実をつける。果実は、鳥によって各地に散布されている。また、果実は食用になり、昔から吸い物やデザートの添え、果実酒などとして楽しまれている。(藤吉正明記)

不知火(しらぬい、しらぬひ)仲秋

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【子季語】
竜灯
【解説】
九州有明海と八代海の沖に、陰暦八月一日前後の深夜、無数の火が明滅し、ゆらめき動く現象。景行天皇筑紫巡幸の折、この怪火が現れた。何か判らぬという土地の者の答えにより、「しらぬひ」が筑紫の枕言葉となった。
【例句】
不知火が芒に映る晦日かな
鬼将「発句題叢」

錦木(にしきぎ)晩秋

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nisikiggi【子季語】
鬼箭木、錦木紅葉、錦木の実
【解説】
ニシキギ科の落葉低木。紅葉が見事で、赤い実が鮮やかなので秋の季語となる。庭木や生垣に植えられ、端山などにも自生する。枝にコルク質の翼が出ている。
【科学的見解】
錦木(ニシキギ)は、北海道から九州の山地にふつうに自生する落葉低木である。枝にコルク質の翼が出来るのが特徴であり、翼ができない種はコマユミと呼ばれている。晩秋、葉中の緑色の成分であるクロロフィルが分解されると葉中には赤色色素であるアントシアニンが多くなり紅葉となる。(藤吉正明記)

錦木は朽ちてうらみの蛍かな
二柳「田のほとり」

宗祇忌(そうぎき)初秋

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【解説】
陰暦七月三十日。室町時代の連歌師。飯尾宗祇の忌日。連歌集「新撰菟玖波集」を編んだ。弟子の肖柏、宗長との「水無瀬三吟」は名高い。生涯の多くを旅にあり、文亀二年、箱根湯元に没した。

桐の実(きりのみ) 初秋

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kirinomi【解説】
家具財として広く植えられる落葉高木。初夏に紫色の花を開き、秋に尖った卵形の実を結ぶ。その実は十月頃熟し、二つに裂け、翼のある種子を多数散らす。
【科学的見解】
キリは、キリ科の落葉高木で、材質が有用であるため全国的に栽培されている。原産地は不明とのことである。キリは筒状の大きな花をつけ、その後心形の果実を形成する。果実は乾燥すると先端から裂開し、翼を持つ小さな種を風により散布する。(藤吉正明記)

カテゴリー: 1基本季語, f動物

林火忌(りんかき、りんくわき)初秋

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【解説】
八月二十一日。俳人大野林火の忌日。明治三十七年横浜市生まれ。中学時代に俳句を始め、臼田亜浪に師事。「石楠」入会。戦後「濱」を創刊主宰。「俳句」編集長を務め、多くの作家を育てる。蛇笏賞受賞。一九八二年没。

燕帰る(つばめかえる、つばめかへる)仲秋

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【子季語】
去ぬ燕、巣を去る燕、帰る燕、帰燕、秋燕、残る燕
【解説】
春に渡って来た燕は秋に南方へ帰ってゆく。夏の間に雛をかえし、九月頃群れをなして帰ってゆくと、淋しさが残る。
【科学的見解】
ツバメは、ツバメ科の野鳥で、日本では主に九州以北の地域で夏鳥として繁殖している。近縁種としては、コシアカツバメやイワツバメ、リュウキュウツバメ等が知られており、本種と比較してコシアカツバメは燕尾がより長く、イワツバメとリュウキュウツバメは燕尾がより短いところが特徴である。ツバメは、秋になると越冬のため、台湾・フィリピン・マレー半島地域に移動する。しかしながら、霞ケ浦や浜名湖畔、九州各地の地域では南へ渡らず、そのまま越冬する個体が確認されている。それらの日本で越冬する個体は、日本へ夏鳥として渡来していたツバメではなく、ツバメの亜種であり、大陸で繁殖を行っているアカハラツバメではないかと推測されている。(藤吉正明記)
【例句】
馬かりて燕追ひ行くわかれかな
北枝「卯辰集」

落日のなかを燕の帰るかな
蕪村「夜半叟句集」

乙鳥は妻子揃うて帰るなり
一茶「九番日記」

頂上や淋しき天と秋燕
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」

身をほそめとぶ帰燕あり月の空
川端茅舎「川端茅舎句集」

燕はやかへりて山河音もなし
加藤楸邨「火の記憶」

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