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季語と歳時記

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浮塵子(うんか)三秋

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【子季語】
糠蠅/泡虫/実盛虫
【解説】
カメムシ目ウンカ科の昆虫の総称。口吻をつかって稲などから液を吸い取る。体長は五ミリほどで褐色のものが多い。大発生して稲に害をなす。

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竜胆(りんどう/りんだう)仲秋

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rindou 
【子季語】
笹竜胆/竜胆草/蔓竜胆/蝦夷竜胆/御山竜胆/朝熊竜胆/深山竜胆
【解説】
リンドウ科リンドウ属の多年草。本州、四国、九州の山野に広く 自生する。草丈は二十センチから一メートルくらい。葉は対生し、 縁にざらつきがある。九月から十月にかけて、茎の先端や葉腋に 青紫の花を咲かせる。根茎は薬用になる。秋の山を代表する花である。
【科学的見解】
リンドウは、本州から九州・奄美大島の山野に生育する多年草である。青紫色の花の色が印象的な植物である。根茎の薬用利用のほか、花の美しさから園芸用に栽培されている。近縁の種としては、葉が線形になり湿った場所に出現するホソバリンドウが知られている。(藤吉正明記)

竜胆の花かたぶきて殊勝さよ
路通「きさらぎ」

りんだうや枯葉がちなる花咲きぬ
蕪村「夜半叟句集」

竜胆のとがりてつよき匂かな
蓮寸「はたけせり」

好晴や壺に開いて濃竜胆     
杉田久女「杉田久女句集」
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無患子(むくろじ) 晩秋

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mukuroji【子季語】
木患子/無患樹の実
【解説】
ムクロジ科の落葉高木。高さは十メートルから十五メートル。比較的暖かい地方の山地に自生する。六月ころ淡緑色の花を咲かせ、秋、茶色に実が熟れる。実の中には黒い種が一つ入っており、羽子突きの羽子の球に用いられる。
【科学的見解】
無患子(ムクロジ)は、本州関東以西から沖縄に自生する落葉高木である。果実の中には、一センチメートルほどの堅くて黒い種子が含まれており、その種子が数珠や羽子球に利用されてきた。昔から民間利用されてきたため、人里にもよく植栽されている。(藤吉正明記)

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威銃(おどしづつ)三秋

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【子季語】
威銃打つ/猪おどし
【解説】
鳥獣などを追い払うためにたてる大きな音をいう。実際に銃を撃つわけではなく、空気を圧縮して銃に似た音を立てる。長閑な田園に一定間隔で爆発音が響き渡る。

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渋取(しぶとり)仲秋

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【子季語】
渋取る/渋搗く/渋渣/木渋桶/柿搗歌/柿渋/渋粕
【解説】
番傘や渋紙に塗る柿渋をとること。臼で搗いた青柿を発酵させて搾りとる。最初に搾ったものを一番渋、一番渋をとった滓を発酵させて搾ったものを二番渋という。

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綿取(わたとり)三秋

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【子季語】
綿取る/綿の桃/綿摘む/綿摘/綿干す/綿繰/綿打/綿打弓/綿弓/綿初穂
【解説】
綿の実から綿の繊維をとること。棉は、その実が熟すと裂けて綿の繊維を吹き出す。これをとって綿と種とに分け、さらに不純物を取り除き、綿糸の原料にする。
【例句】
国富むや薬師の前の綿初尾
鬼貫「犬居士」

綿弓や琵琶に慰む竹の奥 
芭蕉「野ざらし紀行」

生綿取る雨雲たちぬ生駒山
其角「陸奥鵆」

山の端の日の嬉しさや木綿とり
浪化「草苅笛」

綿取りや犬を家路に追ひ帰し
蕪村「落日庵句集」

綿とりのうたうて出たる日和かな
蝶夢「草根発句集」

門畑や下駄はきながら木わた取 
樗良「几董日記」

洪水のあとに取るべき綿もなし 
正岡子規「新俳句」

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飛蝗(ばった/ばつた) 初秋

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【子季語】
はたはた/きちきち/ばたばた/きちきちばった/殿様ばつた
【解説】
バッタ目バッタ科に属する昆虫の総称。俳句では飛ぶときの翅の音から付けられたバッタの俗称であるハタハタやチキチキで用い られる。飛翔する音がこの季語の焦点であるからだ。殿様バッタや精霊バッタなど日本には四十種ほどいる。
【例句】
肩先に泊つてきつちきつちかな
一茶「七番日記」

しづかなる力満ちゆきばつたとぶ
加藤楸邨「山脈」

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地芝居(じしばい/ぢしばゐ) 晩秋

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【子季語】 
地狂言/村芝居/地歌舞伎/村歌舞伎/田舎芝居
【解説】
村人が集まって歌舞伎などを披露すること。刈り入れ後の祭礼に行われることが多く、昔の娯楽の少ない農村にとっては大きな楽しみであった。

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菩提子(ぼだいし) 晩秋

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【子季語】
菩提の実/菩提樹の実
【解説】 
シナノキ科の落葉高木の菩提樹の実。釈迦が悟りを開いたと伝えられるのはインド菩提樹で別の種類。六月ごろ淡黄色の花を咲かせ秋に直径七~八ミリの球状の実をつける。乾燥させた実は数珠 玉などに利用する。
【例句】
菩提子や人なき所によく落つる    
井眉「発句題叢」

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藍の花(あいのはな/あゐのはな) 仲秋

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【子季語】 
蓼藍の花
【解説】
タデ科の一年草。中国より伝わり、染料になる植物として古くから栽培されてきた。草丈は七十センチくらい。八月の終わりから 十月にかけて、茎の頂点に紅色または白色の小花を穂状花序に多数つける。藍染の原料は茎と葉からとる。
【科学的見解】
アイは、タデ科の一年草で、古い時代に中国より伝わったとされる。葉は、長楕円形をしており、無毛である。花は、小花を穂状花序に付け、白色または桃色をしている。本種は、葉にインディゴという藍色色素を含んでおり、藍染の代表的な染料として活用されてきた。代表的な生産地は徳島県であり、現在でも栽培が行われているが、花が咲く前に葉や茎の収穫が行われるため、花を見ることは稀である。(藤吉正明記)
【例句】
島原の外も染むるや藍畠 
嵐雪「青莚」

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