【子季語】
櫨採/櫨買
【解説】
櫨の実から蝋をつくるため、十一月末に熟れた櫨の実を収穫すること。その蝋は和蝋燭やポマード、織物の艶出しなどに利用された。特に北九州地方で盛んに採取された。
タグ別アーカイブ: etc
真菰の馬(まこものうま) 初秋
皀角子(さいかち) 晩秋
【子季語】
皀莢/皀角子の実/西海子/さいかし/鶏栖子/かわらふじのき
【解説】
マメ科の落葉高木。高さは十メートルほどで、山野に自生する。初夏には四弁で淡緑色の細かい花を穂状につける。晩秋にねじれた莢豆が生り、それは長さ三十センチほどにもなる。莢は乾くと 黒ずみ、振ると音をたてる。
【例句】
さしかしや吹きからびたる風の音
呉江「新類題発句集」
放屁虫(へひりむし) 初秋
落花生(らっかせい/らくくわせい) 晩秋
【子季語】
南京豆/唐人豆/そこまめ/ピーナッツ
【解説】
南米原産のマメ科の植物。日本には明治の初め頃伝わった。晩夏から初秋にかけて黄色の花を咲かせる。その後、地中に子房がのびて莢をつける。実は、長楕円形で中がくびれた小さなひょうたん型。炒るか茹でるかして食べる。千葉や茨城が主産地。
【科学的見解】
落花生の標準和名は、ナンキンマメであり、黄色い花を咲かせるマメ科の一年草である。開花後は、子房柄が伸びて地中に入り、先端部分が肥大し果実となる。有用作物であるため、様々な品種が作出されている。日本の品種は、ナカテユタカ、郷の香、千葉半立、おおまさりなどがある。(藤吉正明記)
秋の蛍(あきのほたる) 初秋
【子季語】
秋蛍/残る蛍/病蛍
【解説】
秋風が吹く頃の蛍である。弱々しく放つ光や季節を外れた侘しさが本意。
【例句】
世の秋の蛍はその日おくりかな
信徳「口真似草」
死ぬるとも居るとも秋を飛ぶ蛍
乙州「西の雲」
牛の尾にうたるる秋のほたるかな
成美「成美家集」
蛍減る秋を浅香の橋作り
乙二「をののえ草稿」
秋簾(あきすだれ) 仲秋
【子季語】
簾の名残/簾外す/簾納む/簾の別れ
【解説】
立秋が過ぎてもなお吊られているいる簾のこと。夏を惜しみ懐かしむ心、あるいはしまい忘れられて風に揺れている侘しさがこの季語の本意である。
【例句】
秋簾木の間に吊りて野点かな
松本たかし「石魂」
紫蘇の実(しそのみ) 晩秋
【子季語】
穂紫蘇
【解説】
紫蘇がつける実をいう。花や葉と同様に香りがよい。刺身のつまとしたり、塩漬けやしょうゆ漬けなどにして食す。
【科学的見解】
シソは、シソ科シソ属の一年草で、古い時代に中国から渡来した栽培植物である。近縁のエゴマは、東南アジア原産の栽培植物である。日本在来でシソに近縁な種としては、レモンエゴマが知られており、茎の毛の長短で識別することができる。シソの種子には、油分が含まれており、エゴマ同様に油を取ることができる。(藤吉正明記)
芝神明祭(しばしんめいまつり) 仲秋
【子季語】
だらだら祭/生姜市/めくされ市/千木箱売る
【解説】
芝神明祭は、東京都港区芝神明町の芝大神宮の例大祭で、隔年ごとに催される。祭礼が九月十一日から二十一日までと長く続くことからだらだら祭といわれる。境内では生姜市が立ち、また縁起物の曲げ物千木箱も売られる。
通草(あけび) 仲秋
【子季語】
木通/山女/あけぶ/おめかづら/かみかづら/通草かづら/通草棚
【解説】
アケビ科の蔓性落葉低木。春に花を咲かせ、秋に淡紫色の実をつける。実は十センチほどで楕円形。果皮は厚いが、熟すと縦に大きく割れる。多数の黒い種を包むゼリー状の白い果肉は甘く美味である。
【科学的見解】
通草(アケビ)は、本州から九州の山野にふつうに見られ、昔から新芽や果実を食用として利用されてきた。近縁種としては、ミツバアケビが存在し、アケビが五枚の葉をつけるのに対して、ミツバアケビは三枚の葉を付ける。一般的に、ミツバアケビの方が果実表面の色合いは濃くなる。(藤吉正明記)
一夜さに柵で口あく木通かな
一茶「文政八年句帖」
日おさへの通草の柵や檐のさき
正岡子規「子規句集」


